人生の失敗を通してわかってきたのは、人間関係で何が最も大切なことかと言えば人を認めるということだったのです。

人はどうしても自分の価値基準ですべてを判断します。その自分の基準であの人はダメ、あの人はいいとか決めつけがちです。これが人間関係では大変な間違いだったのです。ダメな人と見られた人の立場に立って見てみますと、自分をダメな人間と見る人と、心からのいい関係が築けるはずがありません。
自分がその人をどう思っているか、私の心の中などわからないという思いでいますが、人間関係ではそれがくせものなのです。確実に二人の関係に影を落とします。
人は誰でも認められたいのです。それは人間の本来の心だと言われています。ですからその人を認めずして良好な人間関係などあり得ようはずもありません。
ましてや親が子をダメな子と見て、親子関係における問題を解決しようなど無理なことです。嫁姑問題でもそうですね。また夫が妻をダメな妻とみていながら夫婦調和をしようなど矛盾しています。ダメな部下と見て部下に評価される上役もあり得ません。でも得てして人はこの矛盾の中で人間関係を良くしようと模索しているような気がします。
その人がダメかどうかは、ある方向の働きに対しては判断できることかも知れませんが、その人の全てを神ならぬ身が知る由もありません。
自分の方がある面での仕事はその人より優れていても、もしかしたら親孝行などは自分よりその人の方が立派であるかも知れないのです。私たちは人の評価を軽率、短絡にし過ぎているように思います。いえ、私だけかも知れませんが。
人間関係においては "その人を認める" ことこそすべてのすべてです。その人を認めることは、信頼関係の根底を築く元だからです。自戒をこめて。