ラマダンの月にムスリムは
日の出から日没近くまで断食をする。
2001年の秋、チュニジアを訪れた。
ちょうどラマダンの月。
9.11の後、ムスリムの国に旅するのは
少なからず緊張感のある日々だった。
首都チュニスで、ひょんなことから知り合った
元教師のおじさんのご自宅でホームステイ。
見知らぬ旅人を、家族は温かく迎え入れ、
飲食と寝床を与えてくれた。
食事の仕方や観光時の注意など
まるで我が娘のように気にかけてくれた。
その家から、聖地カイラワンへ遠出。
バスで数時間の道のりに、
ラマダンだから…と水飲まずに過ごす。
でも、途中で断念。ムスリムの習慣は
当時の私には難しかった。
ラマダン月の断食は、
空腹や自己犠牲を経験することにより
他者への共感や平等の精神を育むという。
このたびの台風被害は甚大になってしまった。
ボランティアに出かけたりは
すぐには出来ないけれど
被災者への共感、祈りならば…。
日々の平穏な生活に感謝しながらも
少しだけ節約、少しだけ入浴を減らしてみる。
その時の自分の身の変化を再確認しつつ
被災者の気持ちに寄り添ってみる。
困っている、辛い思いをしている、
そのことに少しでも近づけたらと思いつつ。