出ニッポン記
今日のリベルダーデは
一時
のち
。23℃(夜)。
今日、ずっと借りていたこの本の返却催促を受けた。かれこれ1年近く借りたのだから、当たり前だ。
あまりに面白くて、すぐに読んじゃう本と、あまりにもいい本で、すぐに読むのはもったいなくて、少しずつ読んでしまう本がある。
この本はまさしく後者である。
京大文学部を中退後、炭鉱で坑夫で働いた上野英信。
そんな彼が南米に追われた炭坑労働者のその後を追いたいと1974年に南米へ追い求めに来たルポルタージュである。
正直言って、ブラジルへ来るまで、炭鉱出身者が労働闘争の末、南米へ渡ったことも、上野英信というルポライターも知らなかった。
が、読んでいるうちにその等身大の描き方に惹かれていく。
知っている人の名前が1人だけあった。
本には出てこないが、たしかに親が炭坑出身者だという67歳の知り合いもいる。
ブラジルにいるからだろうか、移住者の生活が手に取るように察しられ、読書中、何度か目頭が熱くなった。
いい本である。
今、上野氏が亡くなられてしまったことを心から残念に思う。
解説には松下竜一氏が筆を揮っている。
松下氏は上野氏を師と仰いでいる。
そんな松下氏を師と仰ぐ2人の知り合いがいる。
私にとってはその2人も師である。
師の師の師なんだから、本当に素晴らしい人だったのだろう。
筑豊には何と素晴らしい逸材が生まれるものだろう。
松下氏の存在は知っていたのにもかかわらず、お目にかかる前にお亡くなりになられた。
これまた悔やまれる。
松下氏の解説だけでも、私の心にはガンガンと響き、恥ずかしながら涙腺が緩んだ。
今の私には、本でお2人を感じるしかすべがない。
そして、南米の炭坑出身者に幸あれと私ですら願ってしまう。
あの当時に収入には見合わない300万円もの借金をし、1度ならず、2度も訪れた上野氏の心意気と行動力に尊敬の念を込めて・・・。
