私にFlairを教えてほしいと尋ねた人に、まずする最初の質問が

「Flairを覚えて、一体何がしたいのか?」

簡単に言えば
「お店でSHOWがしたい」、「大会で優勝したい」、「イベントで会場を沸かせたい」…etc
皆さんそれぞれが色んな思いで練習してると思いますが
この方向性の決断が早ければ早いほど、その望みを叶えやすくなると思います。
勿論これのどれを選んでも共通する事は沢山ありますし
それぞれ最初は似た様な練習内容になると思います。



練習する順番であったり、気構えであったり、参考になる情報が違っていたりします。
最終的には全てを習得するのが一番良いのですが、では全てを習得するまで発表出来ないのか?
答えはNoだと思います。
もし全てを習得してからで無いと発表出来ないのであれば
私はまだ発表出来る立場ではありません。
どの芸事も進化していきますので、全てを習得出来る事など無理だとも思っています。

どの様なスタイルにせよ、はっきりとした方向性を見極める事。
例えばお店でSHOWをしたいのなら
まずはそのお店の間取りやSHOWをするスペースを調べるところから始めます。
そうでないと、頑張って覚えた技はお店では披露出来ない事になるかも知れません。
狭いカウンター内であれば、その場所でも出来る技でSHOWを構成しないといけません。
逆に場所を広く取れるのであれば、大きさを表現した構成も考えられます。

大会の場合はどうでしょう?
これは大会の規模にもよりますけど、私が指導するのなら
今まで誰もやっていないであろう技の組み合わせ方や
そう言った構成を産み出す方法、戦略、採点基準についての説明等
高得点を残しやすくするための方法を教えていきます。

イベントで会場を沸かせたいと申し出た人には
そのイベントの趣旨を聞き、それに見合った演出を考えるところから始まり
Flair以外の舞台を見学を勧めたり、音の創り方、衣装、表現方法、話術、アドリブ力向上…etc

簡単に説明するだけでもこれだけ変わってきます。
このスタートの時点でこれだけ変わるのですから
ここを曖昧にしていては、やはりステージからは遠回りになると思います。

実際私はFlairの世界に転向したのは30歳の頃でした。
仕事も忙しくなる年齢にさしかかったところからのスタートです。
それでもある程度の結果を出せたのは、やはり他の人がしていない練習方法にあると思います。
そしてその練習方法によって時間短縮出来たと思っています。
この方向性を早い段階で決めて練習する事によって
本当にその方向性が自分に合っているのかどうかの判断もしやすくなります。


因みに余談ですが私の場合、Flairを始めてすぐの頃に

「日本で勝つためには世界で勝つための練習をすればいいんですよ」

と言われたので、その頃から世界でインパクトを与える技を練習していました。
日本での評価は特に気にせずにです。
そして2007年の世界大会に初出場した時の私の1日の練習時間は約40分でした。
昔から世界大会用の技を創っていたので
大会で発表する技はほとんど前年(2005~2006)には発表してるもので
繰り返し練習して安定感を出すだけでしたので、この練習時間でいけたのでしょう。
ただ、最初に私に世界を狙えと言ってくれた彼からは

「お願いですから、もう少し練習して下さい」

と言われたのは言うまでもありません。

ステージに立つ時に、お客様から観て、一体自分はどの様に映っているのか?
身体を使って表現する者にとっては、とても大切な事です。
この姿勢次第で、自分の演技が大きく見えたり、逆に小さく映ってしまうです。

では一体、どの様にして綺麗な姿勢を作っていくのでしょうか?

本当に綺麗な姿勢を維持するには、色々な注意点がございます。
アゴの位置、肩の位置、胸の張り方、お腹を引き締める、お尻を引き締める…
覚えてしまえば当たり前の事なのですが、これから姿勢を正そうとする人には
この様なチェックポイントに気遣いながらの生活は、意外と大変な事だと思います。


そんな時はどれだけ簡略化出来るかがポイントです。


私の場合、後輩達に正しい姿勢を教える時は
まず人間の身体のメカニズムを知ってもらうところから始めます。

その方法は、まず起立の姿勢をした状態からアゴを締めて(下を向いて)、身体を反らしてもらいます。
とても窮屈で、相当意識しないと出来ません。

その次に同じく起立の姿勢からアゴを開いて(上を向いて)、身体を前屈してもらいます。
これも同じくとても窮屈で、相当意識しないと出来ません。

この様にして、アゴ(首)と背骨の関係を体感してもらいます。
アゴ(首)の角度で背骨の可動範囲が変わると言う事を頭と身体で認識してもらうのです。

その後は背骨が伸びやすくなるアゴの角度を覚えてもらうために言う事は

「普段から正面よりやや高い場所(15~30度くらい上)を見るように心がけて下さい」

要するにアゴに意識を持たせるのではなく、見る場所を変える事によって
自然と背筋の伸びやすくなるアゴの位置を癖づけるのです。
実際にアゴに意識を注ぐとどうしても目線がアゴの方に寄りがちになってしまうと思います。
この状態で生活するのは大変疲れますので、そのストレスを感じさせないようにするために
目線を上に上げる事にしたのです。
簡単に言えば

「ただ上の方を見てるだけ」

それだけで背筋が伸びやすくなるのです。

勿論このやり方では完璧な姿勢にはほど遠いとは思います。
が、物事には順序があると思いますので、まずはこの簡単な方法から始めるのはいかがでしょうか?
どのみち、綺麗な姿勢を築いて行くためには目線はとても重要になりますから
ストレスの溜まりにくいやり方で覚えていくと、自然と身体に馴染んで行くと思います。

その後は少し肩の位置を後ろに下げるイメージで立ちますと
その動作によって胸が張ってきますので、上半身は更に綺麗に見えると思います。

目線を上に上げて、胸も軽く上に持ち上げる気持ちでいるだけで
背筋も伸びて気持ちよく過ごせると思います。


また、綺麗な姿勢だと肩こりや胃下垂、ふくらはぎの浮腫み等も解消されてきます。
上記の症状は、簡単に言えば汚い姿勢からくる筋肉に対してのストレスから生まれるものが多いのです。
女性の方で下腹が気になる方の多くは猫背による腹筋力の低下が原因で
胃が下に下がっているだけの事が多いようです。
勿論腹筋を鍛えるだけでも胃は正常な位置に戻るかも知れませんが
恐らく姿勢を正さないと、筋力低下により、また胃は下がって来る事でしょう。

ふくらはぎの浮腫みについても同様です。
猫背による上半身の重心のズレが脚に負担をかけている事が多いです。
普通の立ち姿勢で使う筋力+「身体が前に倒れないように踏ん張る筋力」により
ふくらはぎが炎症を起こして浮腫んでしまっている事が多いようです。
これも綺麗な姿勢が保てる様になれば
「身体が前に倒れないように踏ん張る筋力」
は使いませんから、筋肉の炎症も抑える事が出来るのです。


巷では歩き方を綺麗にするだけでダイエット効果があると話題になりましたが
私もその考え方には賛成です。と言うか、とても理にかなっていると思いました。

皆さんも綺麗な姿勢で快適生活を楽しんで下さい。


そしてステージに立つ人は、普段の生活から姿勢に気を遣って下さい。
ステージ上では日頃の行いが結構現れる事が多いです。
自分で思っている以上に周りの人はあなたを見ていたりします。
日頃からきちんと姿勢を正しているだけで、ステージでは実際の身長より大きく見えたりします。

姿勢の美しさを忘れずに。
演者として、どのジャンルにでも言える大切な事があります。

なぜステージに立っているのか?
それは一言で言うと

「お客様のため」

この一言に尽きると思います。

演者は「お客様が居て初めて成り立つもの」だと思っています。
もちろんそのお客様は初めて演技を観て頂く方から
同じような演技を得意とする同業者やマニアの方まで
とにかく老若男女問わず、色んな方が対象となります。
そのお客様にとって有意義な時間を過ごして頂くのが、演者の仕事だと思います。

その昔、私がMagicianとして活動していた時によく言われたのが
「Magicを教えてほしい」との事でした。
それは単純にトリックを知りたいだけで言う人が大半なのですが
少数の人は「自分もMagicをやってみたい」と言うものでした。
そこで私は質問します。
「なぜMagicをしたいのですか?」と。
するとほとんどの人が
「何か1つMagicが出来たら格好良いでしょ」と。
私の場合はこの様な答えを出す人にはMagicを教えませんでした。
逆に「Magicが出来たらナンパとかコンパで使えそう」と言う意見には賛成し
そう言う場ですぐに使えそうなMagicを教えました。

この二つの意見は一体何が違うのでしょうか?

簡単に言えば前者の場合は単に「自分が格好をつけたい」だけ。
後者は自分の欲望を叶えたいための手段ですが、その願望を叶えるために
「相手に見せて自分に興味を持ってもらう」ための手段なのです。
最初のアプローチが「自分のため」か「相手のため」かの違いです。

この最初のアプローチが実は後に響いてくる事になるのです。
それは今現在の日本のFlair界を見てみるとすぐに解ります。
この話はまたの機会にするとしますが
今のFlair界は「自分のため」に頑張ってる人がほとんどです。
だから大会で自分の演技を観て頂いたお客様に
「ありがとうございました」
と言う人がほとんどいません。
居たとしても、自分を応援してくれる自分のお客様や身内だけでしょう。
会場の出口で「ありがとうございました」と言う人がいる大会は
今まで何大会あったのでしょうか?

本来「Bartender」と言う職業なら、感謝の気持を言葉に表すのは当たり前の事です。
でもこの「Bartender」の前に「Flair」の文字が着くと
後ろの「Bartender」の価値が無くなります。
そう言う意味では私の知る限り、日本で「Flair Bartender」はほとんど居ないと思います。

こう言う書き方をすると

「Flair Bartenderの中には素晴らしい人もいます!」

なんて反論も来そうですが、素晴らしいと思える人も居ますし
まだ私と出会っていない人でも素晴らしい人は居ると思います。
が、ダメなものに目を背けていては、文化は発展するのでしょうか?
こう言う難点を指摘する人が居なくなれば、また身内だけのお祭りに戻ってしまいます。
また逆に難点を見つけれるからこそ、文化は進化する事もあるのです。
今以上にお客様から愛されるPerformanceにするには
良いものと悪いものとをはっきりと見極める必要があるでしょう。


本当に大切な事
一番に考えるのはやっぱり「お客様あってのステージ」だと思います。
ようこそBrain Roomへ。
よくぞここまで辿り着きました。

ここはCocktail Showについて、今まで関係者にしか公開しなかった情報を
試験的に期間限定(気紛れ)で公開するブログとなっております。
と、格好良く書いていますが、本当のところは年々物忘れが酷くなってきたので
今までのアイデアやこれからのアイデアをどこかに保存しようと思ったのが始まりです。
本来なら本でも作成して記録を残そうかとも思いましたが
どうせ残すなら辿り着いた人には先に読めるような『宝島』的な場所になればと思い
この度、公開する事に致しました。
従ってこのブログは読んで頂ける人のために書くのではなく
私個人の情報スペースを公開すると言う事になります。

今回の発表に関しまして、著者名は匿名とさせて頂きますが
実際に私と交流の有る方や関係者には内容を読めばすぐにバレる事でしょう。
(すでにこの時点で誰か特定出来る人も居る事でしょう)
しかしまだ私の事は一部地域以外の人にはあまり知られていませんので
著者の肩書きや経歴等とは関係なく、純粋に内容を読んで頂いて
共感するなり反感を交うなりして頂きたいです。

もっともこの『Cocktail Show』と言う単語を使っている時点で人数はかなり絞られてくるのですが…
私なりに『Flair Bartender』とは区別して行こうかと考えております。

さて、このブログでは今までFlair界では使われなかった言葉が沢山出て来ます。
タイトルともなっている『Brain』にしても、一体どのような事を表しているのか解らないと思います。
皆さんにお馴染みの言い方をすれば、少しニュアンスが違うのですが
『Producer(制作者)』や『Director(演出家)』と言った方が解りやすいと思います。
要するにステージに立つ者に対して、裏方でサポートする人達の事です。

『Brain』とは直訳すると『頭脳』、『知力』、『知的な人』等があります。
今まで自分が経験した事や収集した情報を元に、新しいモノを産み出すのが仕事となります。
ここでは今まで発表してきたアイデアがどのようにして産み出されたのか?
また、そのアイデアを生むために必要な基礎部分等を公開して行く予定です。

それでは皆さん、じっくりと脳を鍛えて下さい。

Brain Master