初めてステージに立つ人にはもちろん
回数や経験を重ねていても
ステージ上では緊張する人が多いものです。
よく、この緊張感を打破するために

「回数をこなして慣れれば良い」

と言う人も居ますが
出来るならその回数は少ない方が良いですよね?
そして単純に回数をこなしているだけでは
ステージに立つ事のおもしろさや注意点には
なかなか気付かないのかも知れません。

ステージに立つ人にとって一体何が恐怖なのか?
緊張すると言う事は、そこには必ず原因があるはずです。
その緊張する原因を追及する事が
恐怖感に脅えなくなるための近道かも知れません。

ステージ経験の浅いうちは
やはり色々と不安が襲ってくると思います。
その不安で良く聞くのが

「失敗しないだろうか…?」

そう、「失敗する事の不安感」が
断トツで多いように思えます。
今まで多くの新人を見てきましたが
皆それぞれに、この言葉を口に出します。

どれだけ長時間、本番を想定して練習をしてきても
実際には本番でやってみないと解りません。
これは逆に言うと、どんなベテランでも
実際にステージに立ってみなければ
良い演技が出来るかどうかは解らないのです。

そこで私は問いかけます。

「失敗したら何がダメなのか?」

すると多くの人が

「失敗すると格好が悪いから」

と言います(特に男性)。
この「格好が悪い」と言う時点で私は

「そんな考えなら完璧に演技出来ても格好悪いかもね?」

と言う事があります。
この「格好悪い」と言うのは、結局は

「自分しかみていない」

と言う事になります。
せっかく多くのお客様が着てくれているのに
自分の事を心配しているようでは
この先、なかなかお客様には
受け入れられないかも知れません。


ステージで盛り上がるも冷めてしまうも
実はパフォーマー次第になります。
自分の演技が受けない時は
それはほぼ全てパフォーマー自身に問題があります。

お客様はパフォーマーに期待して会場に着てくれます。
この時点でお客様はパフォーマーの味方です。
ではなぜ、パフォーマーの演技に
盛り上がれなくなるのでしょうか?
それは

「パフォーマーがお客様を裏切るからです。」

先程のように自分しか見ていない人にはありがちな事です。
例え技が全て決まっても
どこか盛り上がりきれない場合があります。
盛り上がる、盛り上がらないと言う現象は
「技が決まるから」だけではないのです。
そこには基本姿勢として、パフォーマーが
お客様と向き合っているかどうかが問題です。
そしてその姿勢は、パフォーマーよりも
お客様の方がシビアに伝わるのです。

同じパフォーマーなら「同情」が入ってしまいますが
お客様にはそう言った「同情」は関係ないのです。
それは自分の事を知っている身内だけにしか
与えてもらえない慰めなのです。


いつも裏切るのはパフォーマーからです。
一瞬にして会場を凍り付かせる事も出来ます。
それだけにパフォーマーはその部分を注意して
ステージで演技してほしいと思います。

私は新人達に、もし失敗した場合の事をこう伝えます。

「失敗した時こそ、お客様に助けてもらいなさい」

失敗したからと言って、自分が格好悪いと
自分の中に引きこもる事は
それまで暖かい目線を送って頂いた
お客様に対して失礼にあたります。
失敗した過去は変えられません。
だからこそ、失敗した次をどうするか?
を考えるべきです。

いきなりアドリブは出来ないでしょうから
まずは失敗してもどうなろうが

「お客様に対して笑顔でごまかしましょう」

この失敗に対して、素の顔を見せてしまえば
その不安はお客様にもきっちり伝わってしまいます。
そう言う不安が、お客様の目線を反らせる事になります。
正直、観ていられなくなります。
だから失敗しても、笑顔でごまかすくらいの気持ちが
お客様から愛の手を差し伸べてもらえる事に繋がります。

そして失敗した後にきっちり決めれば
その落差から、今まで以上に盛り上がる事もあります。
そう考えると、失敗は逆転チャンスでもあるのです。

演技中、気をつける事は
常にお客様が観てくれていると言う事です。
お客様にはこちらが予定している内容は解りません。
だから自分の予定と変わったところで
何ら問題はありません。

ステージ上で自信を持って演技すると言う事は
技の完成度を磨く以上に
お客様に対しての接し方に気を配った方が
会場が盛り上がると思います。
自分の演技に必死になりすぎると
お客様に対しての意識が薄れてくるでしょう。
自分の演技とお客様への意識とのバランスが
良いSHOWを産み出すと思います。

お客様へのおもてなしの心を忘れずに。