ゆうべは東京でもちょっと大きい地震がありました。
小さく始まり長々続く地震に、三月のことを思い出した人は
れみだけではないはず。こんなに暑い夏の夜なのに
震える大地におびえながら眺めた寒々しい冬の光景が一気に
蘇りました。そして、遠くのどこかで、取り返しがつかないほど
大きな震災が起きていなければいいな、と祈る気持ちでした。
こんな風に辛い体験を一気に蘇らせるものは
あなたの中に潜むトラウマ。
さて、ハチキチくん。
偽装マンション問題で同志となった仲間と、支援物資を集めて
届けていた彼らも、夏の声を聴くころには津波で運ばれた
ヘドロを取り除く作業に取り掛かっていました。
その週末も、車に便乗して現地に向かった彼らは、途中で
女子高校生二人をピックアップ。ナンパじゃないですよ~。
被災者でありながら、ボランティア活動に参加している健気な
女の子たちです。
そして果てしなく続くかに思えるヘドロかき。
と、ぐらっと大きな地震が来ました!
続いて津波警報!
そのときハチキチくんは言いようのない恐怖に襲われたそうです。
彼がいるその場所は、まさに三月に津波に襲われた場所。
逃げなきゃ!でも波はどっちから来るんだ?
だいたい高い場所なんてどこにあるんだ?
見渡す限り、ヘドロで覆われ、建物なんて残っていません。
そうだ、現地ボランティアなら地の利に詳しい!
女子高生に聞こうと振り向いたハチキチくんが見たものは
真っ青になってしゃがみこみ、固まってしまった女の子たちでした。
さっきまでのキャピキャピした元気の良さはどこにもありません。
何を聞いても泣きじゃくるばかりの二人を、なんとか車に戻し
遠くに見えるデパートへと向かいました。
屋上に登り、ここなら高いから大丈夫、と伝えても
女の子たちのパニックは収まりません。
親元に帰してあげるしかありませんでした、とハチキチくん。
あの日、ニュースで地震と津波警報のことを知ったれみは
被災した人たちはちょっと嫌な気分だったろうなあ、と思いました。
実際には、そんな生易しいものではなかったんですね。
自らが被災しながら、でも前を向いてボランティアに精を出す
二人の女子高生。彼女たちが味わったであろう恐怖と苦痛。
考えるだけで涙が出そうです。
いつか、彼女たちが辛いトラウマから解放されますように。
そのためにできることがあるなら、なんでもしてあげたい。
そんなふうに思ったれみでした。