株を始めて、まだそれほど経っていません。
なのに最近、AIと一緒に何をしているのかというと、
日本株4,000社以上を機械でふるいにかけています。
何を目指しているのか。
テンバガー。
できれば、みんなが騒ぎ始めてからではなく、
「なんかコイツ、いつもと違うぞ」
というところで見つけたい。
そんな欲深いことをやっています。
名前は、
HACHI-0。
相変わらず品性はありません。
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ところが、一銘柄消えた
最近、モルフォという銘柄を見ていました。
出来高がものすごく増えて、株価も大きく動いている。
明らかに、
いつもの姿ではない。
ところがHACHI-0で最新データを使って候補抽出をすると、
いない。
4,000社以上から候補を出しているのに、
モルフォがおらん。
私、
「モルフォは?」
AI、
「いませんね」
なんでやねん。
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コードを掘った
そこからAIと一緒に、プログラムの中を掘りました。
文字。
数字。
英語。
記号。
また文字。
もう泣きそう。
私はプログラマーではない。
ドゲスである。
しかし調べていくと、理由が分かりました。
HACHI-0は、最近の出来高の平均と今日の出来高を比べていました。
これは普通なら正しい。
普段より急に出来高が増えたら、
「異常!」
と判断できる。
ところがモルフォは、すでに何日も大量の売買が続いていた。
するとどうなるか。
異常
↓
異常
↓
異常
↓
異常
↓
平均値まで異常になる
そしてHACHI-0は言う。
「最近と比べて、それほど変ではありません」
……。
お前、
慣れたんかい。
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人間だけが慣れると思っていた
毎日とんでもない数字を見ていると、人間は慣れます。
最初は、
「なんじゃこりゃ!」
と思っていたものでも、
毎日見ていると、
「まあ、いつものやつ」
になる。
機械も同じようなことをしていました。
もちろん機械に感情があるという意味ではありません。
基準値そのものが動いた。
異常が平均に入り込んで、
異常ではなくなってしまった。
これは困る。
私が探したいのは、
一度でも大きく咲こうとしている銘柄。
ずっと優秀でなくてもいい。
ずっと咲いていなくてもいい。
大きく咲く瞬間を捕まえたい。
咲いた後?
知らん。
それはまた別の話。
ドゲスなので。
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そこで突然、昔の仕事が帰ってきた
私は昔、車部品の工場で在庫管理をしていました。
扱っていたのは、
4万アイテムくらい。
もちろん4万個全部を暗記していたわけではありません。
でも不思議なもので、
目が覚えている。
毎日動く部品。
時々しか動かない部品。
一年に一度くらいしか関わらないもの。
下手すると、
2年に一回。
腐るで。
でも、いつも動かない奴が突然動くと分かる。
「あれ?」
となる。
数字を全部思い出しているわけではない。
いつもの姿と違う。
それを目が拾っていた。
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おおおお、クランプ!
突然、昔の部品たちが頭の中に帰ってきました。
クランプぅぅぅ!
カバーぁぁぁ!
エンジン部品んんん!
さらに、
サビ取りぃぃぃ!
メッキぃぃぃ!
焼き付け塗装ぉぉぉ!
何十年ぶりや。
お前ら、どこにおったんや。
ガッチャガッチャ音を立てながら、
株の研究所に帰ってきた。
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「消えた」のではなく「工程が変わった」
工場では、部品がいつもの場所になくても、
なくなったとは限りません。
サビ取りに行った。
メッキに行った。
ゴム貼りに行った。
塗装に行った。
つまり、
状態が変わって、別工程へ移動した。
ここで気付きました。
株も同じにすればいいのでは?
昨日HACHI-0の候補だった銘柄が、今日候補から消えた。
今までは、
「はい、候補外」
だった。
でも違うかもしれない。
「お前、今どの工程にいる?」
と追えばいい。
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株を在庫管理する
そこでHACHI-0を、
ランキング表
ではなく、
状態管理
に変えてみようという話になりました。
普段の銘柄。
異常が出た銘柄。
発火した銘柄。
まだ異常が続いている銘柄。
一度静かになったけれど、もう少し追う銘柄。
それぞれ棚を変える。
例えば、
通常棚
↓
BLOOM候補
↓
ACTIVE
↓
SHADOW
↓
通常棚へ戻す
という感じ。
一度大きな異常を出した奴は、翌日ちょっと数字が落ち着いたからといって、
「はい普通」
には戻さない。
しばらく別棚で見る。
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番号順は分かりやすい。でも壊れる
ここで、また昔の記憶が戻ってきました。
初めて部品倉庫を見た時、私は思いました。
「なんで番号順じゃないんや?」
番号順なら誰でも探せる。
分かりやすい。
ところが、よく見ると違いました。
似た姿のものが集めてある。
長いもの。
小さいもの。
薄いもの。
似た形のもの。
後から来た別の上司が、番号順に並べ直しました。
確かに探しやすい。
ところが――
収納スペースが足りなくなった。
当たり前です。
2メートルの板と、50ミリのクランプを同じ棚では管理できない。
番号は近くても、
姿が違う。
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株も全部同じ棚に入れていた
ここでまた気付きました。
今までHACHI-0は、
4,000社以上の銘柄に対して、
同じような基準で点数を付けていました。
でも、
毎日何百万株も売買される銘柄と、
普段ほとんど売買されない銘柄では、
そもそも姿が違う。
普段1,000万株動く株が1,200万株になっても、
「ふーん」
かもしれない。
でも普段3万株の銘柄が突然100万株になったら、
「お前、どうした?」
です。
だから、
検索は番号。
管理は姿。
異常判定は、その銘柄自身の“いつも”から。
これでいいのではないか。
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株を当てると思うと怖い
そして、もう一つ不思議なことがありました。
「株価を予測する」
と思うと、私はどうにも頼りない。
明日上がる?
下がる?
金利は?
為替は?
決算は?
アメリカは?
中東は?
知らんがな。
でも、
「4,000個ちょっとの動くアイテムを在庫管理する」
と思った瞬間、
妙に気が楽になった。
未来を当てなくていい。
見るのは、
> 「お前、いつもと違うで」
だけ。
違ったら別棚へ。
その後も動けば次工程へ。
静かになれば戻す。
これなら分かる。
昔やっていた。
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ありがとう三菱
何十年も前の仕事です。
当時は、
こんな経験が将来何かの役に立つなんて考えていませんでした。
クランプ。
カバー。
エンジン部品。
サビ取り。
メッキ。
焼き付け塗装。
大事に扱わせてもらった仕事が、
何十年も経って、
ガッチャガッチャ音を立てながら帰ってきた。
「お前、株でも同じことやればええやん」
と言いながら。
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株の神様みたいな人からは、
ずいぶん遠くへ来ました。
長期投資の偉人は、もう向こうの山で見えません。
こちらは倉庫の奥で、
「おい! 普段動かん奴が動いたで!」
と叫んでいます。
でも、
こっちの方が私には分かる。
そして、ちょっと面白い。
まだ本当に使えるかどうかは分かりません。
これから検証です。
でも次に、
棚の奥でずっと眠っていた銘柄が、
突然ガッチャと動いたら。
今度こそ見逃さず、
静かに別棚へ移してやろうと思います。
そして本当に大きく咲いたら――
BLOOM!
と叫ぶ。
その後?
さっさと利確するかもしれません。
在庫は回転させるものなので。
ドゲスでゲス。