株を始めた頃の私は、もう少し清らかだった。
「良い会社を見つけたい」
業績を見て、将来性を見て、事業内容を見て。
この会社は伸びるかな。
社会の役に立つかな。
そんなことを考えていた。
ところが最近、様子がおかしい。
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日経平均が下がっている
「今日は株、ダメですねえ」
と思っていた。
ところが。
上がっている株がある。
しかも、めちゃくちゃ元気なのがいる。
ストップ高までいる。
……なんでや。
市場全体からお金が消滅したわけではない。
あるところから逃げたお金が、別のところへ移動している。
ここで私の中の何かが目覚めた。
「お金が逃げ回っている……?」
Chatさん。
それ、追跡できませんかね。
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良い会社探しから、金の追跡へ
考えてみれば単純な話だった。
ある業種が売られる。
↓
お金が抜ける。
↓
別のテーマに材料が出る。
↓
そちらに資金が集まる。
↓
出来高が増える。
↓
株価が上がる。
↓
「なんか上がってるぞ」と人間が集まる。
↓
さらにお金が来る。
私は思った。
会社を探している場合じゃない。
お金を追いかければいいんじゃないか。
ゲスい。
実にゲスい。
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しかも、逃げた後では遅い
さらに欲が出る。
資金が大量に流入してストップ高になってから、
「ここにお金が集まってます!」
では遅い。
買えない。
では何が欲しいのか。
お金が逃げ始める瞬間。
そして、
次の逃げ場所に入り始める瞬間。
出来高が変わった。
板がおかしい。
材料が出た。
SNSで妙に名前を見る。
同業種も動き始めた。
まだ株価そのものは爆発していない。
……そこ。
そこを捕まえたい。
欲深い。ゲス。
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SNSを見る目まで変わってしまった
最近、株を発信している人たちも観察している。
「この株、来ます」
「今日の本命」
「答え合わせは、、」
そして実際に上がる。
最初は、
「すげー。当ててる」
と思っていた。
でも、だんだん別の見方をするようになった。
この人が当てているのか。
それとも、この人を含めて大勢が同じ銘柄に注目することで、機運そのものが高まっているのか。
企業の材料。
SNS。
閲覧者。
買い注文。
出来高。
株価。
さらにSNS。
これ、全部つながってるんじゃないの。
人間の欲望、ネットワーク化。
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そして私は思った
どうせなら私たちは、
「今日、この株が上がります!」
だけ言う人にはなりたくない。
それより、
「今日これ買いました」
数日後、
「これ売りました。+386円。うれしいゲス。」
こっちがいい。
負けたら、
「-1,842円。しくじったゲス。」
これも出す。
買った値段もある。
売った値段もある。
損益もある。
後から、
「実は持ってました」
は無し。
当たった銘柄だけ並べるのも無し。
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AI株投資180日実験
そう考えると、私がやりたい実験も少し変わってきた。
良い会社を見つけられるAIなのか?
だけではない。
金が動き始める場所を見つけられるのか?
さらに、
実際に買えるのか?
ちゃんと売れるのか?
逃げ遅れないのか?
そして180日後。
結局、いくら残ったのか。
ここまでやって初めて「当たった」と言えるんじゃないかと思う。
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金の欲望監査機
最初に作ろうとしていたのは、
「将来伸びそうな企業を探すスクリーナー」
だったはずだ。
ところが現在。
資金流入。
出来高。
板。
材料。
SNS。
人間心理。
全部観測したくなっている。
もはや企業分析装置ではない。
金の欲望監査機。
しかも今回、新たな仕様が追加された。
ゲス100%仕様。
「良い会社ですね」
もちろん大事。
でも、その横で私はたぶんこう考えている。
で。
金は今どこにいる?
次、どこへ逃げる?
まだ誰も来てない?
……。
株を始める前の私に謝りたい。
ずいぶん遠いところまで来てしまった。
でもまあ。
売りました。うれしいゲス。
いつか堂々とこれを書きたい。
それまでは、
金の欲望監査機。
ゲス100%で稼働します。
ゲス世界一を目指しますでゲス。