*ネパール南東部洪水緊急医療支援活動 開始
~ネパール大統領、被災地のAMDA仮設診療所訪問~
ネパール連邦民主共和国南東部のスンサリ郡とサプタリ郡で、降り続く大雨によりコシ河が氾濫し、8月18日、洪水が発生した。同国政府は、少なくとも7万人が影響を受け、7千世帯が避難したと推測している。公式発表では、死傷者・行方不明者は出ていないが、地元メディアは死者の可能性を報じている。
AMDAネパール支部は、21日からジャパ郡ダマック市にあるAMDA病院(スンサリ郡から約150Km)より、AMDA緊急医療チーム(ネパール人の医師・緊急救命士・調整員で構成)をスンサリ郡に派遣している。4村落と周辺の村落が浸水している同郡では、高いところで1メートル以上の水位があり、大部分が水浸しの状態である。避難所となっている学校や公共施設で被災者約3,500人が生活し、食糧や日用品の不足が伝えられている。AMDAネパール支部は保健医療を担当、AMDA緊急医療チームが巡回診療を実施し、754人(21~25日)の患者を診療している。
主な症例は、けがの他、関節・脚の痛み、アレルギー性咽頭炎、気管支炎、肺炎、下痢である。
25日にはラム・バラン・ヤダブ大統領が、避難所内のAMDA仮設診療所を訪れ、AMDAの緊急医療支援活動に対して感謝を述べた。現在も同チームは、避難所にて医療活動を継続している。
【AMDAグループがネパールで実施している事業】
1.医療施設の運営:
ジャパ郡ダマック市にあるAMDA病院、ルパンデヒ郡ブトワール市にあるネパール子ども病院の運営。それぞれ1992年、1998年から事業を開始し、内科・外科・救急・検査室・薬局・病棟などを備えている。
2.ブータン難民のためのプライマリーヘルスケア:
AMDAは、2001年からゴールダップ難民キャンプを含む7つの難民キャンプで、一次診療、母子保健、予防接種、栄養プログラムなどの活動を行っている。
3.HIV/エイズ予防・性感染症ケア:
ネパール南部の幹線道路地域で、1999年から幾多のコミュニケーション手法を用いた啓発活動を通じた行動変容プロジェクト(BCI/BCC)を開始した。その後、性感染症の検査と治療、そしてHIV/エイズに関するVCTサービス、地域コミュニティとの連携を通じた予防啓発活動などを行っている。
4.医療保健分野の人材育成:
ダマックに、毎年120人の学生が学ぶ保健人材養成センターを設立。卒業後、政府の試験に合格すると准看護師、地域保健助士、臨床検査助士の資格取得が可能。日本のAMDA支援者の協力により、奨学金も用意。
<<皆様からの募金を受け付けております>>
郵便振替:口座番号01250-2-40709 口座名「AMDA」
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