*ミャンマー・サイクロン被害に対する緊急支援活動 9
6月9日にミャンマーへ入国した日本からの派遣者5人は、現地駐在の日本人職員2人及び現地職員とともに被災地クンジャンゴン市に入り、12日から診療活動を開始した。ミャンマー保健省が、国際NGOに所属する外国人医療従事者に対し、被災地における診療活動を許可したのは、今回AMDAが初めてとなる(政府間合意に基づくケースはアセアン各国や日本など、すでに活動実施済み)。
医療チームは、日本人医療従事者・AMDA現地医療スタッフ・クンジャンゴン市保健当局スタッフ・地元住民ボランティアなどによって構成されており、12日、クンジャンゴン市からボートで約20分に位置するマヤン村で被災者数十人を診察した。「日本のお医者さんと話せてよかった。この村で何があったか知ってもらえてよかった」と語る老婆の言葉が印象に残った。また、地元の要請に基づき、マヤン村小学校の生徒115人に対して健康診断を実施した。
1.調査活動等開始日:
5月5日(診療活動の開始は、11日)
2.活動地:
ヤンゴン管区 クンジャンゴン市 各保健行政地区
3.診療した患者数(5月11日~6月12日):
約5,300人
4.これまで実施している活動内容:
・被災状況、救援ニーズの調査(ヤンゴン市内各所及びクンジャンゴン市内各所)
・ヤンゴン保健当局(保健省緊急対策本部・ヤンゴン管区保健局)との協議
・クンジャンゴン市保健当局との協議及び活動連携
・AMDA医療スタッフ+クンジャンゴン市医療スタッフ+住民参加による巡回診療
・飲料水用錠剤や石鹸などの配布と、使用方法等の説明を兼ねた保健衛生教育
・毛布や古着の贈呈
5.支援活動に従事している日本人:
細村幹夫 内科医(呼吸器内科専門) 越谷誠和病院(埼玉県越谷市)
寺戸通久 救急医 岡山大学医療教育統合開発センター・岡山大学病院救急部
小堀他津子 看護師 医療法人アスカ会看護主任
竹久佳恵 現地事業統括 AMDA社会開発機構
畑山ゆかり 調整員 AMDA社会開発機構
谷口敬一郎 調整員 AMDA 緊急救援担当
*鈴木俊介 AMDA社会開発機構 理事長 ヤンゴンで活動統括後帰国
*スェ・スェ・タン ミャンマー人 医師
岡山大学医歯薬学総合研究科生物化学講座 留学生
6.巡回診療チームの構成:
第1次(5月11~17日)計12人+地元住民ボランティア多数
第2次(20~23日) 計18人+地元住民ボランティア多数
第3次(25~27日) 計17人+地元住民ボランティア多数
第4次(6月1~4日) 計19人+地元住民ボランティア多数
第5次(6月10~15日予定) 計19人+地元住民ボランティア多数
AMDA日本人医療従事者・スタッフ 医師2/看護師1/調整員2
ミャンマー人医師(岡山大学留学生) 1
AMDA現地医療スタッフ
医師3/補助医師1/看護師2/業務調整員1/保健補助員4/ロジ補助員1
保健省保健局 医師1
7.被災状況
大型サイクロン・ナーギス(Nargis)は、5月2日夜から3日にかけてミャンマー南部を直撃した。政府の発表によると、死者7万7,738人、行方不明5万5,917人(5月17日)。一方国連は、被災者は160万~250万人に上ると推定している。今後はマラリア、コレラなどの感染症の流行も予想され、二次被災者の増加が懸念されている。
8.AMDAがミャンマーで実施している事業
(1)中部乾燥地域事業 (マンダレー管区メッティラ県、ニャンウー県、
マグウェ管区パコク県)
1995年より、無医村の村への巡回診療や給水システムの整備を、
2002年より母子の健康増進を目的とした包括的なプライマリー・
ヘルスケア・プロジェクトを実施。また、約1,500人の女性を
対象に、農村家族の所得向上と自立支援を目的としたマイクロクレ
ジットプロジェクトも行っている。
(2)コーカン事業 (北シャン州コーカン特別地区)
ケシ栽培が禁止された翌々年の2004年より、少数山岳民族の人々を
対象に、貧困農村支援プロジェクトとして、緊急食糧支援、小規模イン
フラ施設整備、保健衛生教育、技術訓練を実施。2007年より、緊急
食糧支援から地域社会の復興へ軸足を移して活動(母と子の栄養改善支援
事業)を展開している。
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郵便振替:口座番号01250-2-40709 口座名「AMDA」
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