*中国四川省地震被害に対する緊急医療支援活動 7

  

中国政府は6月1日、地震(5月12日発生)による被害は、死者6万9,016人、負傷者36万8,545人、行方不明者1万8,830人と発表した。

  
AMDAは、AMDA台湾支部や現地関係者と連携し、5月14日から四川省の被災地へ医療チームを派遣、被災者の手術や診療、医薬品の配布を行なってきた。これまでの活動地は、徳陽市スーファン、綿陽市安県近郊の山岳地域、成都市にある四川大学華西病院と四川省中西医結合医院(四川省中医薬科学院付属病院)、都江堰市の5ヵ所である。現在は成都市内で、「心理カウンセラー養成研修」の実施に向けた準備を行っている。

  

1.都江堰市

  
3日、岡山県倉敷市高野山真言宗備中地域の寺院住職有志による「南真会」と協力し、最大の被災地の一つとされる都江堰市の慈善会(中国政府の救援物資受取機関)に、米10トンと薬7箱(解熱剤、風邪薬、咳止薬など)を贈呈した。また、同日、「南真会」の僧侶ら10人は市内の学校を訪問し、現地で追悼式典を開いた。

  

2.AMDA本部とAMDA台湾支部

  
1)四川省中西医結合医院(四川省中医薬科学院付属病院 Sichuan Academy of Chinese Medicine Sciences)
第3次隊計6人(医師3人、看護師2人・調整員1人)による医療支援活動を終了した。5月23日に岡山から派遣された汪達紘医師(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 助教 医学博士)は、30日深夜帰国した。
  

<第3次隊>
実施期間:5月24日~29日 6日間
患者数:
(1)外科治療:
    合計19件-外科手術8件、消毒・包帯のみ11件
          (病院の外科治療のうち約20%をカバーした)
(2)カウンセリング:
    合計95件-アンケート調査68件、個別インタビュー13件、
          支持的心理療法8件、家族療法6件

   

2)四川大学華西病院(West China Hospital)
第2次隊計6人(医師2人・看護師2人・調整員2人)は、整形外科手術室と救急病棟で医療支援活動を実施した。
<第2次隊>
実施期間:5月19日~22日
患者数:1日平均40人(整形外科のみ)。内、AMDA医師2人による処置24人
外傷の特徴:傷は脚部に集中している。傷の化膿、骨折、筋損傷、筋緊張、組織障害が多い。
AMDA医師2人による処置24人:
・手当て22人-傷の消毒(破片や異物の除去)、傷の治療、包帯を巻く
・手術2人-9歳男児、30代男性。切断手術

  

3)巡回診療
<第1次隊>
実施日:5月17日
実施場所:成都から約4時間、安県近郊の山岳地帯にある村
実施内容:学校敷地内に避難所が設置され、第1次隊に3つのテントが用意された。そこを仮設診療所とし、10人の患者を診療した。
チーム編成:計20人
       医師9人・看護師4人・薬剤師1人・調整員3人・調整員補助3人

  

3.徳陽市スーファン避難所
現在も、計4人(外科医1人、看護師2人、調整員1人)が、スーファンの避難場所となっている体育館において、診療活動を行っている。

   
【AMDAが中国で実施した主な事業】 いずれも開始月
1996/02 中国・雲南省大震災緊急救援プロジェクト
1996/02 中国・四川省・青海省雪害緊急救援プロジェクト
1996/03 中国雲南省大震災小学校再建プロジェクト
1996/03 中国新彊ウイグル自治区地震緊急救援プロジェクト
1996/04 中国四川省チベット族ヘルスポストプロジェクト
1996/07 中国貴州省大洪水緊急救援プロジェクト

  
<<皆様からの募金を受け付けております>>
郵便振替:口座番号01250-2-40709  口座名「AMDA」
*通信欄に「中国四川地震」とご記入下さい。

  

人気ブログランキング