*ミャンマー・サイクロン被害に対する緊急支援活動 7

  
AMDAはクンジャンゴン市保健局とともに、市内全域に医療支援が届くことを目指し、5月11日に開始した巡回診療を現在も続けている。6月3日までに診療した患者数は4,581人で、主な疾患は、外傷・呼吸器感染症・皮膚の炎症・倦怠感/衰弱・高血圧症・めまい・節々の痛み/筋肉痛・発熱/風邪・下痢・胃痛/腹痛である。
  

同市内の一部の地域への移動は、ボートによってのみ可能であり、また車両移動が可能でも、車輪がぬかるみにはまるなどの困難に直面している。被災地の中には、こうした移動の制約から支援が滞っている地域もある。AMDAが最初の支援団体となった村もあり、「外部の人々と話をし、外の情報を得ることが出来た」あるいは、「自分たちの被災経験を外部の人々に話すことができたので、気分が紛れた(楽になった)」と話す村人もいたことが報告されている。

  

1.調査活動等開始日:
5月5日(診療活動の開始は、5月11日)

  

2.活動地:
ヤンゴン管区 クンジャンゴン市 各保健行政地区

  

3.これまで実施している活動内容
・被災状況、救援ニーズの調査(ヤンゴン市内各所・クンジャンゴン市各所)
・ヤンゴン保健当局(保健省緊急対策本部・ヤンゴン管区保健局)との協議
・クンジャンゴン市保健当局との協議及び活動連携
・AMDA医療スタッフ+クンジャンゴン市医療スタッフ+住民参加による巡回診療
・飲料水用錠剤や石鹸などの配布と、使用方法等の説明を兼ねた保健衛生教育
・毛布や古着の贈呈

  

4.巡回診療チームの構成
第1次(11~17日)計12人、他に地元住民ボランティア多数
医師3人・補助医師2人(内、クンジャンゴン市保健当局より1人)・助産師1人(クンジャンゴン市保健当局)・看護師1人・業務調整員1人・保健補助員3人・ロジ補助員1人

第2次(20~23日)計18人、他に地元住民ボランティア多数
医師5人・補助医師2人(内、クンジャンゴン市保健当局より1人)・助産師1人(クンジャンゴン市保健当局)・
保健師1人(クンジャンゴン市保健当局)・看護師3人・保健補助員4人・調整員1人・ロジ補助員1人

第3次(25~27日)計17人、他に地元住民ボランティア多数
医師4人・補助医師2人(内、ダィエールー保健行政区保健当局1人)・看護師3人・助産師1人(ダィエールー保健行政区保健当局)・公衆衛生師1人(ダィエールー保健行政区保健当局)・調整員1人・保健補助員4人・ロジ補助員1人

   
5.支援活動に従事している日本人
AMDA社会開発機構 現地事業統括 竹久佳恵  ヤンゴン駐在中
AMDA社会開発機構 調整員    畑山ゆかり ヤンゴン駐在中
 *AMDA社会開発機構 理事長  鈴木俊介  ヤンゴンで活動統括後帰国
 *AMDA 調整員 緊急救援担当 谷口敬一郎 バンコクで後方支援従事後帰国

   

6.被災状況
大型サイクロン・ナーギス(Nargis)は、5月2日夜から3日にかけてミャンマー南部を直撃した。
政府の発表によると、死者7万7,738人、行方不明5万5,917人(5月17日)。一方国連は、被災者は160万~250万人に上ると推定している。今後はマラリア、コレラなどの感染症の流行も予想され、二次被災者の増加
が懸念されている。

  

7.AMDAがミャンマーで実施している事業
(1)中部乾燥地域事業
(マンダレー管区メッティラ県、ニャンウー県、マグウェ管区パコク県)
1995年より、無医村の村への巡回診療や給水システムの整備を、2002年より母子の健康増進を目的とした包括的なプライマリー・ヘルスケア・プロジェクトを実施。また、約1,500人の女性を対象に、農村家族の所得向上と自立支援を目的としたマイクロクレジットプロジェクトも行っている。

(2)コーカン事業 (北シャン州コーカン特別地区)
ケシ栽培が禁止された翌々年の2004年より、少数山岳民族の人々を対象に貧困農村支援プロジェクトとして、緊急食糧支援、小規模インフラ施設整備、保健衛生教育、技術訓練を実施。2007年より、緊急食糧支援から地域社会の復興へ軸足を移して活動(母と子の栄養改善支援事業)を展開している。

  

<<皆様からの募金を受け付けております>>
郵便振替:口座番号01250-2-40709  口座名「AMDA」
*通信欄に「ミャンマー・サイクロン」とご記入下さい

  

人気ブログランキング