*ミャンマー・サイクロン被害に対する緊急支援活動 5
AMDAは、ミャンマーで1995年より政府保健省と協力して事業を実施している。中北部の事業地に勤務している医療スタッフをサイクロン被災地へ移動させ、これまでヤンゴン管区クンジャンゴン市(ヤンゴン市の南約70km)の被災地6ヵ所で、現地保健当局とともに医療救援活動を継続している。
外国人の被災地への立ち入りが制限される中、AMDAのミャンマー人スタッフで構成されたAMDA医療チーム(計10人)が、保健当局スタッフ2人および地元住民ボランティアと共に、僧院や家屋を拠点として救援活動を行っている。
11~17日、計1,257人の患者を診療した(1日当たり150~300人)。女性の患者が全体の67%を占め、年齢層では40歳代が最も多く、復興に重要な勤労世代が診療を求めている。急性期は過ぎたものの、倦怠感を訴える患者が15%、高血圧症の患者が12%など、特に心身の衰弱している人々が増加していることが伺え、不安など心的外傷も多く報告されている。また、巡回診療中に、生後12日の新生児が極度の栄養失調で見つかり、ヤンゴン市内の病院へ救急搬送したケースもあった。
一方、診療活動の現場では、現地保健当局との密接な連携に加え、機材や医薬品の輸送について、村人がトラクターの提供を申し出てくれる、医薬品処方の助手を手伝うなど被災地住民自らの参加協力が目立ち、地域の人々と助け合いながら、救援活動は広がりを見せている。
1.支援活動開始日:5月5日
2.活動地:ヤンゴン管区南部クンジャンゴン市
3.巡回診療チーム 計12人(他に地元住民ボランティア数人)
AMDA医療チーム(計10人 医師3人・補助医師1人・看護師1人・業務調整員1人・保健補助員3人・ロジ補助員1人)
保健当局チーム(計2人 補助医師1人・助産師1人)
4.ヤンゴンで支援活動に従事している日本人職員
AMDA社会開発機構 理事長 鈴木俊介
AMDA社会開発機構 現地事業統括 竹久佳恵
AMDA社会開発機構 調整員 畑山ゆかり
5.バンコクで後方支援に従事した日本人職員
AMDA本部職員 調整員(緊急救援担当) 谷口敬一郎
5月8日日本出発~13日帰国
6.被災状況
大型サイクロン・ナーギス(Nargis)は、5月2日夜から3日にかけてミャンマー南部を直撃した。政府の発表によると、死者7万7738人、行方不明5万5917人と伝えている(17日)。国連は、被災者は160万~250万人に上ると推定している。発災から2週間が過ぎ、今後はマラリア、コレラなどの感染症流行が予想され、二次被災者の急増が懸念されている。WHOの発表では、すでにコレラ患者の発生が報告されている。
7.AMDAがミャンマーで実施している事業
(1)中部乾燥地域事業 (マンダレー管区メッティラ県、ニャンウー県、マグウェ管区パコク県)
1995年より、無医村の村への巡回診療や給水システムの整備を、2002年より母子の健康増進を目的とした包括的なプライマリー・ヘルスケア・プロジェクトを実施。また、約1,500人の女性を対象に、農村家族の所得向上と自立支援を目的としたマイクロクレジットプロジェクトも行っている。
(2)コーカン事業 (北シャン州コーカン特別地区)
ケシ栽培が禁止された翌々年の2004年より、少数山岳民族の人々を対象に、貧困農村支援プロジェクトとして、緊急食糧支援、小規模インフラ施設整備、保健衛生教育、技術訓練を実施。2007年より、緊急食糧支援から地域社会の復興へ軸足を移して活動(母と子の栄養改善支援事業)を展開している。
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