*ネパール・ブータン難民キャンプ火災緊急医療支援活動 3
AMDAネパール支部は、支援活動を継続している。7日には、被災後新たに建てられた仮設住宅近くに、仮設救護所を設置し、被災者の医療アクセスの向上に貢献している。
生活環境の向上に関連して、蚊の発生を防ぐ目的で水溜りへの殺虫剤の噴霧を行い、加えてトイレの衛生環境整備のため、消毒剤をまいている。水溜りへの殺虫剤の噴霧活動は、主にブータン難民ボランティアが行っている。
ブータン難民キャンプ内のAMDA診療所では、24時間体制で診療を続けている。急激な食生活の変化により、下痢症状を起こす患者も多いが、日を追うごとに少なくなっている(7日30人、8日24人、9日19人、10日16人、11日11人)。症状は深刻ではなく、ORS(経口補水塩)や亜鉛錠剤(*亜鉛には食物の消化をスムーズにする役割がある。下痢が続くと亜鉛が不足するため、処方するとよいとされる)を処方され回復に向かっている。急性呼吸器疾患の患者については、7日から10日までの間は、各日13~17人であったが、11日には3人となった。今後減少していくものと予想されが、引き続き推移を見守っていく。
日本から派遣されていた館野調整員は、被災地での活動を終了し、12日帰国した。
【活動開始日】
3月1日夜の火災発生直後
【活動参加延べ人数】
計31人
AMDA本部1人(調整員)
AMDAネパール支部15人(医師2人・パレメディック13人)
ブータン難民スタッフ10人
ブータン難民ボランティア5人
【活動内容】
1.AMDAクリニックでの診療
2.物資配布:毛布187枚、古着200着、
医薬品(胃腸疾患・呼吸器疾患・眼科疾患・皮膚疾患用 他)
3.巡回診療(3月5日以降):1チーム6人編成で、3チームが実施
【日本からの派遣】
館野和之 調整員 AMDA本部職員 岡山市在住
3月5日岡山出発 3月12日岡山帰着
【被災状況】
ネパール東部ジャパ郡のゴールダップ難民キャンプで、1日夜火災が発生。
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)や報道によると、竹などで建てられた家屋のおよそ9割が焼失、8,000~10,000人が住む場所を失った。同キャンプには、ネパール隣国のブータンにおいて民主化弾圧を受けたネパール系住民が難民として暮らしている。
【AMDAネパール支部】
27人の医師からなる執行部と、数百人が事業に直接携わる。事業対象地域は、ネパール東部、中西部、その2地域をつなぐ幹線道路周辺。中心地はダマック、ブトワール、ヘトウダで、ネパールにおける医療保健分野のニーズをカバーしている。
【AMDAがネパールで実施している事業】
1.医療施設の運営:
ジャパ郡ダマック市にあるAMDA病院、ルパンデヒ郡ブトワール市にあるネパール子ども病院の運営。それぞれ1992年、1998年から事業を開始し、内科・外科・救急・検査室・薬局・病棟などを備えた総合病院である。
2.ブータン難民のためのプライマリーヘルスケア:
AMDAは、2001年からゴールダップ難民キャンプを含む7つの難民キャンプで、一次診療、母子保健、予防接種、栄養プログラムなどの活動を行っている。
3.HIV/エイズ予防・性感染症ケア
4.医療保健分野の人材育成:ダマックに、毎年120人の学生が学ぶ保健人材養成センターを設立。卒業後、政府の試験に合格すると准看護師、地域保健助士、臨床検査助士の資格取得が可能。日本のAMDA支援者の協力により、奨学金も用意。
<<皆様からの募金を受け付けております>>
郵便振替:口座番号01250-2-40709 口座名「AMDA」
*通信欄に「ブータン難民キャンプ火災」とご記入下さい