*バングラデシュ・サイクロン被害に対する緊急医療支援活動 4

  

23日夕刻、首都ダッカをフェリー(現地でLaunchと呼ばれる)で出発した第一次緊急医療支援チームは、24日早朝、最大の被災地の一つとされるパトゥアカリ県ミジャガンジに到着した。

  
その後、高速ボート2隻と支援物資を積んだ1隻に乗り換えて、活動地のチョーカリ村へ移動した。桟橋は元々なく、約450世帯が暮らす同村の家屋は、木、竹、トタンで出来ており、ほぼ全てが損壊してしまった。住民の多くは、元の材料を使って作った仮住まいに住むか、支援拠点になっているチョーカリスクール(コンクリート2階建て、サイクロン・センターと呼ばれている)に避難している。

  
 第一次緊急医療支援チームは、

1)同スクールに仮設診療所を設置し診療

2)同スクールで米など食料を配布

3)同スクールで子どもに古着のセーターやビスケットなどを配布

4)被災した村々を巡回診療

の4チームに分かれて支援活動を開始した。

内陸部にも運河があり、運河が倒木などで水溜りとなっているため、今後蚊が大量発生し、デング熱やマラリアなどの感染症が懸念される。また、井戸水の汚染とトイレの破壊により、飲料水がさらに汚染されることが予想される。

AMDAネパール支部から派遣された医師2人は23日深夜ダッカに到着し、25日活動に合流した。

  

【活動開始日】
17日、AMDAバングラデシュ支部が緊急救援を開始

  

【第一次緊急医療支援チーム】
計22人(医師4人・パラメディカル2人・ヘルスアシスタント2人・調整員4人・アシスタントコーディネーター10人)
館野 和之    調整員   AMDA本部職員  岡山市在住
谷口 敬一郎    調整員   AMDA本部職員  岡山市在住
AMDAバングラデシュ支部    調整員 2人
日本・バングラデシュ友好病院
  医師2人・パラメディカル2人・ヘルスアシスタント2人
AMDAネパール支部        医師2人
AMDAバングラデシュ支部、日本・バングラデシュ友好病院
  アシスタントコーディネーター10人

  

【活動予定地】
パトゥアカリ県ミジャガンジ市チョーカリ村
  世帯数:約450 人口:約5,000人

  主な産業:漁業・農業
(Chou Kahali ,Mirzaganj Upazila, Patuakhali District 首都ダッカから南へ約310km)

  

【活動内容予定】
1.巡回診療
2.外傷患者への小手術
3.経口補水液(ORS)と医薬品(抗生剤・鎮痛剤・抗原虫剤・駆虫剤・皮膚薬他)の投薬、配布
4.水質浄化剤の配布
5.米・ビスケットなど非常食の配布
6.感染症を予防するための保健衛生指導(手洗い励行やトイレ使用など)

   

【被災状況】
15日夜、バングラデシュ南部に上陸した大型サイクロン「シドル」は、南部沿岸部を中心に甚大な被害をもたらした。24日政府発表では、死者3,060人・行方不明者1,180人以上、被災者約680万人・被災家屋約121万軒。

   

【AMDAバングラデシュ支部】
1998年甚大な被害をもたらした洪水の緊急救援活動をきっかけに、1999年より保健医療、小規模融資(マイクロクレジット)、職業訓練から成る農村総合開発事業をムンシゴンジ県ガザリア郡で行なっている。2004年7・8月の洪水被害に対しても、本部と連携して緊急医療支援活動を実施した。

  

【協力団体:日本・バングラデシュ友好病院】
日本の大学院に留学していた医師3人が創立者となり、1994年4月首都のダッカに設立された。現在は100床の総合病院に発展し、バングラデシュにおけるAMDAの災害拠点病院であり、AMDAバングラデシュ支部の事務所の所在地でもある。

  
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口座名「AMDA」
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