こども病院では、こどもたちを自分のこどもと思って治療にあたった。だから、ご両親とも毎日の様にいろいろな事をお話しした。
でも、どんなに手を尽くしても、助けることが出来なかった命もあった。
それでも、最期の確認をしないといけないのが医師の勤め。
手品や遊びをしたときのこどもの笑顔がよぎる。ご両親のこころの痛みがつらいほどわかる。
そんな時、自然と眼から涙が出てきた。止めることができなかった。
研修医だった頃、先輩の先生から、「医師は、感情移入しすぎてはいけない。患者や家族との距離感が大切だ」と言われたことがある。
泣き虫の僕は、医師としては失格だなと思う。
そんな僕は、こどもとの最期のお別れ、お見送りの時、ご両親に一冊の本を渡したことを覚えている。
その本の名は、「ひかりの世界」。葉祥明(ようしょうめい)という絵本作家の本。ご両親のこころが少しでも癒されればと思って渡したもの。
この間、本棚から取り出し読んでみたら、いろいろな思いがよぎり、また涙が止まらなかった。
こんな泣き虫先生、やっぱり医者としては失格ですね。
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