こどもの頃は、満天の星空 の元で過ごした。星を見ながら「医師は、人の運命を変えるような仕事だから、★を動かすような仕事だ。」と思いこんで、医師になった。


実際医師になってみて、多くの人の死の場面に同席させて頂いた。また、阪神淡路大震災では、数多くの死と向き合うことになった。どんなに頑張っても、やっぱり助けることのできない命が数多くあることがよくわかった。


昔よく読んだ、手塚治虫のブラックジャックという漫画に、「ときには真珠のように」という話がある。ブラックジャックの恩師の本間先生が亡くなるとき、精一杯手を尽くしてもやはり本間先生は亡くなってしまう。その時、恩師の本間先生が言った言葉が印象的だ。人間が生きものの生き死にを自由にしようなんて、おこがましいとは思わんかね・・・」と。


震災を経験し、また多くの死と直面して、こどもの頃思っていた、「医師の仕事は運命を変える仕事、★を動かすような仕事」という考えが間違いであることに気づいた。


死は誰にもやってくる。その運命を、人が変えることはできない。


考えは変わってきた。人が人と出会うのも運命、医師として患者様と出会うのも運命。その一期一会を精一杯に。最期を迎えたときに、「あなたに看取ってもらえてよかった」と思われるような、そんな医師でありたい、と。


まだまだ未熟なひよっこ医師だが、人の死から多くのことを学びながら、少しずつ良い医療を目指して頑張っていこうと思う。そうすることで、亡くなった方がこころの中でいつまでも生き続けることができる、と思っている。


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