昨日は、豊中の夜間外来を終えた後、明石に移動し、8時から「にじ作業所」「パン工場なないろ」を運営する福祉苑リーベの会のNPO法人化に向けた設立総会に参加しました。
最初に、福祉苑リーベの会と、 「にじ作業所」・「パン工場なないろ」 についてちょっと説明させてくださいね。
福祉苑リーベの会は、ダウン症をはじめとする知的障害のこどもたちの社会進出を目的として、明石と神戸で、「にじ作業所」と「パン工場なないろ」明石店・神戸店の3つの施設を運営するボランティア団体です。現在は33人のこどもたちが、頑張って軽作業やパンの製造・販売をおこなっています。
福祉苑リーベの会の実質的なリーダーは、内藤さんといって、身体障害にて車いす生活をされている方です。こういった団体の場合、リーダーになるのは健常者の方か、知的障害のこどもを持つ親が多いと思うのですが、内藤さんは、「同じ障害を持つ者だからこそわかりあえることも多い」との考えから、平成10年ににじ作業所を設立し、この団体を立ち上げました。そして平成12年にはパン工場なないろ神戸店、翌年には同明石店を立ち上げ、利用者を増やしてきました。こどもたちの立場にたった団体として、こどもたちやその親の方々から信頼を得ています。知的障害のこどもたちが内藤さんの車いすを一生懸命押している姿をみると、その信頼の深さがよくわかります。
パン工場なないろの視察の記事はこちら から、にじ作業所の視察の記事はこちら 。
僕と福祉苑リーベの会との出会いは、AMDA兵庫とネパールこども病院の応援団として立ち上げた奇兵隊の企画するチャリティーボウリング大会に、パン工場なないろのこどもたちがつくったパンの即売会を始めたことがきっかけでした。一緒にチャリティーボウリング大会を企画・運営する中で、リーベの会の窮状をきき、困った人たちをみると黙って放っておけない奇兵隊のみんなが応援しようと立ち上がりました。
それで、行政などに対し対外的にも運営強化を図る目的で、昨年4月から、奇兵隊の隊長でもある僕が会長となり、また一緒にネパールのボランティア(ネパールループナガルで、マンゴーの苗を植えるボランティア)をしていた山王ヘルスケアの寺井さんが副会長となって、会を盛り上げて来ました。
そして昨年末、今後福祉苑リーベの会の運営強化していくためには、NPO法人化することが望ましいと考えるようになり、周囲に働きかけをしていたところ、寺井さんの親友の弁護士・泉房穂さんがボランティアでNPO法人化申請にご協力頂ける事となり、今回のNPO法人福祉苑リーベの会設立総会となった訳です。
総会には、仕事を終えてお疲れのところ、夜遅くにもかかわらず、役員、理事の方々が皆さん集まってくださいました。
最初に、僕が理事長に指名され拝命する事となりましたので、その挨拶をしました。そして、次のような事をお話させて頂きました。
「このNPO法人福祉苑リーベの会は、ここにご参加頂いた皆様、そしてこどもたちみんなの会です。そして、奇兵隊同様、皆様一人ひとりが平等の立場で会を運営して行きましょう。僕は若輩者で、理事長としてはまだ経験不足と思いますが、医師という立場がこの会にとって生かされるのであれば、喜んでお手伝いをさせて下さい。
僕がお手伝いできる事、次の3つの事を考えています。
1)こどもたちが和める雰囲気づくり
ボランティアはそれを受ける人のためにある、と思っています。こどもたちが楽しく作業やパンの製造をできる雰囲気づくり、バス旅行やクリスマス会などのレクレーションを通じたコミュニケーションづくりをしていきます。
2)職員の方々にとっても心地の良い職場づくり
自分がまず幸せでないと人を幸せにはできない、という考えから、職員の方が気持ちよく働ける職場づくり、福利厚生を考えていきます。こどもたちは、こころを読むのに敏感だと思います。皆様ご自身も幸せになれるようお手伝いをしていきます。
3)将来に明るい方向性を見出す
現場には、内藤さん、中川さんというリーダーがいますので、僕は、この会が将来に明るい方向に向かって行ける様に、その方向性を見出して行きたいと思います。
至らぬ点があるかと思いますが、皆様と一緒に、この会を盛り上げて行きましょう。」
挨拶の後、総会議案書に基づき、多くの議案についてご承認を頂きました。その議案書から、設立趣旨について抜粋しますね。
趣旨
「心身に障害をもつ人にとっては、働く場をはじめ人間として経験を積む生活の範囲が限られているのが現状です。福祉苑リーベの会は、そのような障害をもつ人が、協調性を養い、仲間とともに働く喜びを知り、さまざまな経験を通じて知識を広め、社会のルールの確立を図ることを目的として設立しました。設立後は、障害をもつ人だけではなく、一般の人々への理解を深める活動にも取り組んでいきます。(中略)
将来的には、身寄りのない障害者や高齢者などさまざまな人が集まって生活ができるグループホームを開設するなど、更なる社会福祉の発展に貢献する団体を目指して行きます。団体活動の透明性を図り、社会的責任を確保し、社会的信頼を得て、団体として継続した活動を行なっていきたいと考えています。法人化することにより、更なる活動の場が築いていけると信じています。」
副理事長には、内藤さん、中川さん、寺井さん、そして監事には奇兵隊税理をボランティアでして下さっている中山先生が就任頂ける事になりました。
総会は滞りなく進行し、すべての議案が承認されました。
総会の後は、パン工場なないろで作った美味しいパンを食べながら、和気藹々と今後の事について話をしました。
スカイマークスタジアムでパンの販売をすることも相談しましたよ。内藤さん、清原選手と会うんだって!いいなあ。
球場で販売するユニフォームもあるんだって!ユニフォーム、本来なら自己負担ですが、さすが、天下のオリックス様、ご寄付頂ける事になりました。うれしいですね。
それから、ちょうど昨日、にじ作業所とパン工場なないろのホームページが出来上がってきたんだよ!作ってくれたのは、 「アイ・コラボレーション神戸」 という障害者のIT共同作業所を運営する団体です。横のつながり、いいですねえ。でもまだまだ出来上がったばっかりって感じですけど、それがまた面白いから覗いてみてね。
ホームページのアドレスは、http://www.niji7716.jp/ です。リンクを張ってみました。奇兵隊も作ってもらおうかなあ。
福祉苑リーベの会のNPO法人化、予定では5月末に承認されて、6月1日からNPOとしての運営が始まる予定です。
早速ですが、賛助会員を募集しています!年会費1口5000円です。もしご協力頂けるようでしたら、にじ作業所078-911-7851までご連絡下さいませ。
総会を終えて帰ったら、夕方までの雨と雲がうそのように晴れて、見上げた南の空に、澄みきったオリオン座と冬の大三角形が明るく輝いていました。
今日の写真、「みんなで一緒にバス旅行」
右のプロフィールの欄にあるパワープッシュをクリックして推薦頂けると嬉しいなっ!
よろしく、お願いいたしまするm(_ _)m
スクラップブックも見に来てね!http://scrapbook.ameba.jp/brain-int_book/
人気ブログランキング
なにとぞご協力を!
読んで頂けたら、ここをクリック
↓お願いしますm(_ _)m