病院視察二日目。外来が落ち着いた午後1時から、病院の主要スタッフが集まり、ビーマル新院長のもとでの新しい体制について、および病院にとって必要な物品は何かについて、相談会が行われた。
相談会は、ビーマル新院長を中心として、民主的かつ活発に討論がなされ、新体制への意欲が感じられた。
当時の訪問報告書によると、必要な物品として上がった物は、以下の通りであった。(それぞれの物品の後のカッコに、それぞれの物品について、現在までの対応状況を振り返ってみて、訪問の効果も検証してみたい。)
(1)発電機(Generator)
ブトワールでは停電が多く、停電の度に全ての機器が止まるため、発電装置が必要。
(これは、この訪問の後、AMDA兵庫から100万円を支援して、購入した。)
(2)酸素濃縮器
病院には中央配管など無いから、酸素ボンベに頼っている。酸素濃縮器があれば、酸素ボンベの消費量が減る。
(これも、今回の訪問で、18万円を寄付、購入した。)
(3)新生児Open Care System
生まれたすぐの新生児を、保温しながら処置ができるもの。
(これも、この訪問の後、関西エグゼクティブウーマンの会から寄付が得られた。)
(4)エアコン Air Conditioner
分娩待機室、分娩室は夏は猛暑となり、体力を消耗する。
(これも、後にダ・カーポさんからのご寄付により、設置できた。)
(5)出産台 Delivery Table
当時使っていた出産台は、踏ん張りが利きにくいとのこと。新しいものが望まれた。
(これは、日本製をあたったが、送付費用を考え、インド製を購入した。)
(6)人工呼吸装置
今回、初めて病院を訪ねた時、小児病棟では、医師による長時間の手動(手もみアンビューバック)の人工呼吸が行われていた。1歳半の肺炎の症例で、その甲斐なく12時間の人工呼吸の後、他界してしまった。長時間のため、家族も交代でアンビューバックをもむことも多い。4日連続の死亡症例となってしまったそうだが、そのうち3例は同様の長時間手動人工呼吸がなされたという。
(人工呼吸装置の導入にあたっては、この訪問の後、AMDA兵庫でも多くの議論がなされた。呼吸器の使用法の教育の問題、看護師不足の問題。中央配管の問題も。また、1台だけ入れたとき、どの子に使うのか。また、回復の見込みのない(脳死等の)延命や尊厳死などについても。現地の社会状況も考え、まだ検討項目となっている。僕も帰国後、在宅人工呼吸レンタル会社などに、中古の呼吸器についての協賛を探したが、実情はなかなか難しい。)
(7)患者管理用ソフト、コンピューター
患者様の管理は当時、手書きで行っており、患者数の増加により、かなり煩雑になっていた。
(これも、導入にあたって議論があり、他の医療に直結する物品に重きが置かれ、導入が遅くなったが、最近になってAMDAネパールからの自助努力で導入された。)
こうして、今振り返ってみると、現地の要望どおり、購入できたり、寄付を得られたりした物も多いが、人工呼吸装置のように、未だに導入されていないものもあり、さらに議論を深め、また寄付、協賛、資金集めをがんばらないと、という思いを新たにした。
ただ、今回の会議を通じて、新しいビーマル院長が独裁ではなく民主的に幅広く意見を聞く姿や、まわりのスタッフがビーマル院長に信頼を寄せている姿から、院長の交代が順調に進むということを確信できた、視察二日目だった。
今日の写真、「新生児Open Care System」
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