学校ブレコネは3回目になりますが、国立大学法人・東京学芸大学の竹鼻先生(養護教育分野教授)から頂いた学校用ケースブックをサンプルにして、昨今の学校現場にありがちな状況をブレコネしてみました。

 

 6月も下旬に入り、学校では例年の修学旅行の季節になりましたが、今年はコロナ禍の影響で計画もどのように変わるのでしょうか?

 こんな状況であればこそ、高校球児の甲子園と同様、学生さんらには様々な思い出を作って貰えればと思います。

 

◆参考文献◆

・「ケースメソッド教育に活かす学校用ケース・ブックPart2」

編集:齋藤千景/竹鼻ゆかり/鎌塚優子/岡田加奈子 十文字学園女子大学 斎藤研究室2018年

・「たった1枚の紙で誰でも意思決定できてしまうブレイン・コネクト」

監修:株式会社インクルージョン 著:杉村寿重/和氣俊郎/横内浩樹/平塚智文  三恵社2019年  https://www.amazon.co.jp/dp/4866931248

 

◆ケース3:修学旅行に行けない生徒H◆

 (ケース要約)その中学3年生は6月末に京都・奈良への2泊3日の修学旅行が計画されていた。4月には計画を終わらせ、各クラス2名の修学旅行実行委員が冊子づくりや事前学習内容を準備していた。

 そんなある日の夕方、クラス担任は学校の事務室から「先生のクラスのHさんが旅行代金を払っていません」と連絡があった。Hは2年生までは遅刻が多く、友人とのトラブル等で生徒指導上よく話題に上がっている生徒であった。今回はクラス担任の助言で修学旅行実行委員に立候補し、委員になって熱心に委員活動をしていたが、旅行の積立金が未払いで今までも何度かHの家庭に電話をして支払いの催促をしていたのだった。

 Hは母親と二人暮らしのシングルマザー家庭で、教材費の支払いも滞納しがちであり、母親もPTAの中では浮いている存在であった。生活が苦しい感じがあり、学校からも就学援助の申請を促している状況であった。

 HはクラスにMという仲の良い友人がおり、今回の修学旅行実行委員はMとHがやっていたので、Hは修学旅行を楽しみにしており、クラス担任もHには旅行に行って欲しいと思っていたが、再三のクラス担任からHの母親への支払い催促の電話に、母親は「うちは修学旅行費を払えるだけのお金がないので、Hを旅行に行かせるのはやめてください」と最終的に返答された。

 クラス担任が、楽しそうに実行委員の活動をしているHに旅行費用のことを話すと、Hは目に涙を浮かべ「旅行のお金を払っていないから、私は行けないとお母さんに言われた」と言い、不安で半ば諦めてしまっているようだった。

 

 

◆「Hが修学旅行に行けない?」でブレコネしてみた(Step1)◆

◆「Hが修学旅行に行けない?」でブレコネしてみた(Step2:すぐ起きる)◆

◆「Hが修学旅行に行けない?」でブレコネしてみた(Step2:暫くして)◆

◆Step3◆

 これらはあくまでもサンプルですので、皆さんもこのような問題に直面した場合どのように考えるか、色々やってみて頂ければと思います。もっと良いアイデアや幅広い対応策も出てくることでしょう。

 

 コロナ禍で3密を避けるために弊社が得意とするワークショップを控えてきましたが、全面解除となりブレコネを始めとする弊社のワークショップは今月より再開しています。

 形態は従来の集合形式だけでなく、オンライン形式のものも、Eラーニング形式のものもご要望に応じて様々な選択肢で対応できるようにしています。

 

【著作文責】株式会社インクルージョン(Inclusion Research Institute, Ltd.【略称:IRI】) https://www.iri-ltd.com/