私たち頭痛治療をしている医師として、論議されている話題の一つに
『片頭痛の患者さんは脳卒中になりやすいか?』
です。(脳卒中とは脳出血、くも膜下出血、脳梗塞のことを総称していいます。)
色々な先生方が討議されております。
先日も日本頭痛学会のほうから同見解についてアンケートが参りました。
私は、
『片頭痛を持たれている方は脳血管の病気である、脳卒中になりやすい!!』
と思います。
もっと、詳細に言えば、1ヶ月のうち15日以上3ヶ月以上続く片頭痛発作がある慢性片頭痛の患者さん
もしくは片頭痛の前兆として視野が見にくくなる様な閃輝暗点がある方は脳卒中になりやすいと考えます。
ただ勘違いしないでいただきたいです。
私の考えとして、この考えは何も頭痛治療をされていない患者さんは脳卒中になる率が高く
なると考えています。
理由として、生態にとって痛みは危険な信号であったりします。その痛みをただごまかしたり
我慢していることは良くないです。(医者らしくない表現ですが・・・)
医者らしい表現で言えば、片頭痛という病気は
何らかのストレスにより血管炎物質やセルトニンが放出され、血管の拡張と収縮、血管透過性の行進
により脳血管の浮腫と拡張を来たし、血管の周囲の神経に直接働きかけ頭痛が出現するといわれている、
三叉神経血管説が有名です。
それに基づいてトリプタン製剤が脳血管に作用し治療します。
以前からお話しているように、トリプタン製剤は治療薬であり、鎮痛剤ではありません。
もし、ひどい片頭痛症状をずっと我慢したり、痛み止めで頭痛をごまかしてばかりいると、
脳血管において血管の拡張と収縮、血管の浮腫を来たしてやがて血管が傷付き脳血管障害
になると考えます。
我々の中ではよく持ち出される論文で、45歳以下の女性では脳卒中のリスクは一般的には低いが、
片頭痛を持っていると上昇する。特に前兆のある片頭痛、経口避妊薬を飲まれていたり、喫煙
をしていると、格段に脳卒中になる率が上昇するといわれています。
脳卒中になるリスクは片頭痛だけでは無論ありません、高血圧や高脂血症、糖尿病、心疾患など色々な
要因があります。
片頭痛はそれらの要因とはリスク比が多少低いですが、一つの要因として考えています。
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