第38回 日本頭痛学会総会 (2010年11月19日~20日)

     シンポジウム

鎮痛薬に反応しない強い頭痛、髄膜炎・脳炎疑う

⇒*そんなに多い頭痛ではないですが、見逃してはいけない頭痛です。

   発熱など伴っているようでしたら要注意ですよ。

   風邪と思って何日間も頭痛と発熱を放置していたら髄膜炎になってしまった方が先日もいました。

   今回はそんなことがないよう臼田先生が熱弁しています。

   

   

感染症による頭痛について日本医科大学・臼田和弘先生

感染症による頭痛の頻度、頭痛外来の2.6%

 感染症による頭痛は国際頭痛分類第2版で二次性頭痛の一つとされ、

(1)頭蓋内感染症による頭痛、

(2)全身性感染症による頭痛、

(3)ヒト免疫不全ウイルス/後天性免疫不全症候群(HIV / AIDS)による頭痛、

(4)慢性感染症後の頭痛、

に分類される。

 全身を侵す各種感染症においてしばしば頭痛が伴い、

インフルエンザでは随伴症状として感染時に中等度の頭痛が見られるが、

鎮痛薬に反応し長くは続かない。

一方、頭蓋内感染症では強度の頭痛が最初から高頻度に見られ、

鎮痛薬に反応せず長期間持続する。

 臼田先生は頭痛外来を受診した233人を対象に、感染症による頭痛の頻度を検討。

その結果、片頭痛が117人(50.2%)で最も多く、

次に緊張型頭痛39人(16.7%)、

物質またはその離脱による頭痛(すべて薬物乱用頭痛)30人(12.9%)と続いた。

感染症による頭痛は6人(2.6%)だった。

「外来診療において、感染症による頭痛の頻度は低いものの、

これらはすべて髄膜炎の患者であり、外来で見逃してはならない疾患である」。

 感染症による頭痛の機序については、

①侵害受容性疼痛(正常組織を障害させる侵害刺激が

侵害受容器を活性化させることによって引き起こされる痛み)、

②心因性疼痛(器質的病変がなく、心理的要因が、重要な役割を果たしている痛み)、

③その他が考えられる。侵害受容性疼痛には、髄膜刺激、頭蓋内占拠性病変や

脳浮腫による頭蓋内圧亢進、動脈組織への直接的圧迫と刺激、発熱や炎症による

血管拡張、炎症メディエイター(インターロイキン-Iや、腫瘍壊死因子といったサイトカインなど)、

感染因子の有毒生成物、微生物の疼痛発現機構への直接的作用、感染後アレルギー反応

(アレルギー性血管炎など)などがある。心因性疼痛には、二次的な神経心理学的悪化による疼痛がある。

その他の機序として、自律神経障害、脱水による脳脊髄液減少、感染症による元来有する頭痛の誘発などが考えられる。

 頭蓋内感染症による頭痛の鑑別について、

「強い頭痛が鎮痛薬に反応せずに続いた場合、髄膜炎や脳炎を疑う必要がある」



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