公立高校受験の注意点

1.平均点は60点(満点を狙わない)

「公立高校入試には何が出るかわからないから、1年生の基礎から全部勉強しなきゃいけない。」たぶん・・・そう思っていますよね? 塾の先生でさえ、そう考えている人がたくさんいますので仕方がないのですが、実はそれは公立高校受験でよくある誤解なんです。
  平均点は計算してるかのように60点付近を行ったり来たりしてます。実は入試問題作成者は、平均点が一定(※)になるように計算して作っているんです。 つまり「公立入試はパターン化されている」ということです。平均点の差異はあれど、東京でも、大阪府でも、千葉県でも、どの県の入試でも同じことが言えます。

 

2.同様の問題が出る

どの県も、同じ問題が数年サイクルで繰り返し出ていることが多いんです。「同じ」と言うと「全く同じ」という誤解があるといけませんので、正確に表現しますと、「同じ能力を求める問題(本質的に同じ解法で解ける問題)」が毎年出ているんです。
  

3.暗記ではない、されど基礎的な暗記大事

 「勉強」と言うと多くの人が「暗記」だと思っています。あなたもそうですか?もちろん基礎的な暗記は不可欠ですが、暗記だけの勉強ではある程度のところまでで伸びなくなります。塾や学校でいっぱい暗記の宿題や暗記の小テストをこなしているわりには、実力テストや模試の点数が伸びないという思いはありませんか?これが暗記だけに頼った失敗の典型パターンとも言える勉強法です。

  実は、近年の公立入試は、「暗記」ではなく「考え方」の勉強をしていかないとなかなか点数につながらない傾向になってきています。このことは各都道府県の教育委員会もきちんと発表していることです。暗記が苦手でも、「考え方」を身に付ける勉強を知っていれば得点しやすくなる。これが「公立高校入試の最大の特徴」ということはぜひ覚えておいてください^^ 

  ちなみに、暗記科目といわれる社会でさえ、東京で40~50%も!、埼玉で30~35%も!、千葉・神奈川で25~30%も!毎年「考察力」をみる問題・考察から得点しやすくなる問題です!ということは…暗記しないでこれだけの点数が稼げるってことです!公立入試を受験するうえで、「考え方」を身に付ける勉強をしないと相当損をしていると言えるかもしれませんね。

↓得点のための「考え方」を身に付けると、こんなに簡単になります。

 

4.本番に強くなる

これは「公立入試が簡単な理由」とはちょっとズレてしまうのですが、公立高校入試に向けて頑張ってほしいという思いからのアドバイスとして受け止めてください。得点アップするための勉強とは、 何も覚えたり問題をひたすら解いたりすることだけじゃありません。ちょっと、あの試験当日を思い出してください。 「キーン」と張りつめた試験会場。 「カツカツ」と隣の生徒のえんぴつ。 …緊張してきましたね(笑) こんな緊張の中で「いつもの力」を発揮できそうですか? そうです。大事なのは「本番で実力を発揮する」ことです。 厳しいようですが、どんなに努力しても本番で実力を発揮できなければ水の泡。 これが現実なのです。

 「わからない問題につまづいて頭が真っ白になっちゃった。」
 「時間があればできたのに…」
 「いつもならできるのに。焦ってケアレスミスをしてしまった。」

 ですから、 「いつもの力を発揮する練習」というのもぜひ意識してして受験対策をすすめておいてくださいね。 具体的には「ケアレスミスをしないためにどうする?」「時間配分と解く順番はどうする?」などの本番を想定した準備をしておくことで、「実戦力」を鍛えられます。100%の力を発揮できれば、憧れの志望校合格はもう目の前!

 

5. 今から出来ること

 

私が家庭教師をしていた時、勉強を始めたのが最も遅かった生徒は中3の12月でした。

残り僅か3ヶ月です。それまで勉強をしていなかったのですから、当然成績も最下位クラス。

いよいよ困って依頼が来たというわけですが、ここまで短期間だと、まともなやりかたをしていては時間がありません。そこでかなり思いきった受験対策を行いました。

まず、その子の学力をチェックして、社会と国語が比較的良い状況だったので、この2教科だけを徹底的に勉強することにしました。仮に、この2つの教科で75点ずつ取れれば合計150点。

その子が狙っている高校の合格ラインは250点だったので、残り3教科で33点ずつ取ればクリアです。これぐらいの点数であれば、ちょっと勉強すれば何とかなるので、点数を稼ぎにいく教科と、最低限の点数だけ取る教科に分けました。

その子の志望校で足きりがなかったので、こんなやりかたが出来ました。高校入試の場合、よほどレベルの高い高校でないと足きり点は設定されていないと思うのですが、足きりが存在する場合には、また違う対策が必要なので注意してください。 

勉強法自体はいたってシンプルです。教科書を参考書代わりにしながら、過去問を解きました。その子の志望校は栃木県の公立校だったので、まずは栃木県の過去問を解きましたが、それだけだと足りないので、他県の問題集も解きました。

今はどうか分からないのですが、当時の栃木県の学力は全国ワースト2位。当然、入試問題のレベルも低めなので、東京や神奈川といった教育優秀県の過去問を利用してもついていけません。

学力ランキング表を入手して、順位が下のほうの都道府県の問題を解くようにしました。

そして、ここでも思いきった割り切りをしました。

社会と国語は目標点数75点、数学、理科、英語は33点なので、全てを万遍なくやる必要はありません。そのため、数学、理科、英語については、試験の最初に出る基礎的な問題だけ解くようにしました。

数学だったら計算問題、英語だったら簡単な英単語&熟語の埋め合わせだけを徹底的に勉強します。理科については、その子が比較的得意な生物だけに集中。化学や物理はダメだったので、最初から諦めました。

 

社会については、特に分野ごとでの得意・不得意はなかったので全体的に勉強、国語については、現代文は出来る子だったので、ここは省いて苦手な漢文・古文に集中的に取り組みました。

目標点数と照らし合わせながら、その子が点を取れそうな部分をピックアップして勉強するというやりかたです。

高校受験だと、点数の配分が決まっているので、その子が最も効率良く点数を稼げるやりかたを考えて実行しました。