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本格的な夏山シーズンを迎えた。再来年から八月十一日が「山の日」として国民の祝日になる。「山国」日本の自然の豊かさを感じどう守っていくのか、あらためて考える日にしたい。

 「山の日」を定める祝日法改正案は先の国会で成立した。新しい国民の祝日である。施行は二〇一六年からだ。改正法はその意義を「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」と明記した。

 ただ、なぜ八月十一日なのかが釈然としない。一九九五年に制定された「海の日」は明治天皇が東北巡幸から船で横浜に帰った日に由来する。

 山岳関係者は山開きの六月を要望したが、祝日の増加は学校の授業数減や経済活動への配慮から盆休みに合わせたようだ。当初は十二日が想定されたが、八五年の日航機墜落事故の慰霊の日と重なったためこの日に落ち着いた。

 せっかく休日が増えるのだ。国土を彩る山岳や森林の魅力と豊かさを知り、大切な国民の財産として守る策を考える機会にしたい。

 世界遺産となった富士山では今夏から一人千円の入山料を集めている。徴収金は保全に使われる。

 同じ取り組みは各地に広がる。岐阜、滋賀両県にまたがる伊吹山(一、三七七メートル)でも五月から、試験的に一人三百円の入山協力金を集めている。伊吹山は千三百種の高山植物の宝庫、年間三十万人が訪れる。来訪者の七~九割が募金に応じているという。

 内閣府 の世論調査では、国立公園の入域料などの徴収に75%が肯定的だ。保全策としてマナー教育や車利用の制限、入域制限 、ガイド付きを条件とす るなどの案に一定の賛成が得られた。負担や規制は観光客を減らすとの懸念があるが、国民にはその理解は広がっているのではないか。

 先の国会では、自治体 が「地域自然資産区域」を定め入域 料や保全策のルール化を図る法案も成立した。自治体に地元住民を加えた協議会で保全計画をつくる考え方を盛り込んだ。

 寄せ られた入域料の使途を登山者へしっかり情報提供 しつつ、保全効果の検証も行いたい。

 国民に「山の日」制定の機運が高まっていたとは言い難い。政府は保全や利用に知恵を絞る必要性を息長く訴え続けるべきだ。