移住者知事の誕生! 北海道知事選結果からみる今後の北海道
昨日投開票された、「我が」北海道の知事選挙は、元夕張市長の鈴木直道氏(自民等推薦)勝利に終わりました。鈴木氏は約160万票を獲得し、約96万票であった対立候補(立民等推薦)と大きく差を付けました。

鈴木氏のスローガンは「あらゆるピンチをチャンスに!」というものでした。
実は3月27日、鈴木氏は稚内を含む宗谷地方に遊説に訪れており、その際、筆者は稚内に滞在していたところ、聞きに行きました!(心の中では完全に道民なのです。諸般の都合上、住民票を移せないのが残念です。)
鈴木氏は、元東京都庁の職員で夕張市に派遣された後、そのまま残り、夕張市長として財政再建を行いました。その手腕を買われて、知事候補として推薦されたそうです。当初、鈴木氏のほかに、国土交通省の北海道局長を推薦しようという動きもあったようですが、断念したそうです。
「国土交通省の北海道局長」の擁立が意味するところは、まさに中央とのパイプのもと、これまでの公共事業誘導型を推進していくことでしょう。
この意味では、今回の知事選は、これまでの「中央に陳情して予算・補助金を取ってくる」モデルでは、もう北海道は立ち行かなくなる、何とかしなければ、という道民の意思の表れだったともいえるのではないでしょうか。このことは以下の鈴木氏の演説の一部でも如実に述べられています。
知事選で改めて、私が大事にしているのは、今までの知事は、市町村長から誕生した知事はいないのです。ほとんど官僚出身の方なのであります。やはり179の市町村のうち、149の自治体がまさに過疎に悩み人口減少に悩んでいるときに、一番厳しい地域で移って、暮らして、働いて、市長として(聴取不能)、それが私の言っている「徹底した道民目線」「道民第一の姿勢」なのです。
なお、対立候補は「北海道独立宣言」をスローガンに、(如何にも「革新」にありがちな)国との対決姿勢を出していたのですが、そうした過激な態度に出る必要もないことは、それもそれで重要です。もちろん、支援いただくべきところは支援いただくべきでしょう。この点は鈴木氏の演説でも以下のように批判されているところです。
「国の力は頼らなくていいのではないか」という主張もあるようであります。私はそれは違うと思います。先ほどお話しいただいた武部先生(注:稚内市も含む北海道12区から選出)もそうですが、国会議員は道民であり、国民である我々が選んでいるのではないですか。国と北海道と市町村が、まさに「オール北海道」で、この危機を、このピンチをチャンスに変えて、活力あふれる北海道、北海道をみんなで作っていく、そのことが今必要だと思いますが、皆さまはいかが思いますか?
誰が敵だとか、誰の力はいらない、とかじゃないのです。みんなで手を携えて、オール北海道で、この稚内を、この北海道をより活力あるものにしていく、それが重要だと私は思うわけであります。
さて、個人的には、「移住者知事」の誕生というところに、大いに感動するところであります。鈴木氏もおそらくは、夕張に派遣され、実際に北海道に住んでみて、気候も含めて大いに魅了されたのではないでしょうか。また東京都の職員であったわけですが、財政的に潤沢な都の職員であれば、それこそ定年まで安泰だったわけでしょう。
それをあえて放棄して、夕張の市長となり、極めて困難な財政再建に取り組んだ、その気概は素晴らしいものがあるといえます。そして知事に登り詰めたわけです。人口減少が進む北海道では、逆に言えば、外からの移住者が入りやすい余地(空き家含む)があり、そして、能力さえあれば、移住者であっても正当に評価されるということが、鈴木氏の選挙勝利・知事就任に表れているのではないでしょうか。
この意味するところは「困難な状況に立ち向かう、やる気と気概のある移住者よ、来たれ」とも言えます。私自身も活躍する移住者を多く見てきました。鈴木氏と同様に、天塩町の副町長として手腕を振るわれた齊藤啓輔氏(外務省出身)も、任期終了後、余市町の町長になられています。
あと、鈴木氏の勝利には、やはり「ムネオ」の存在を欠くことはできないと思われます。稚内の遊説の際も、同行しており、応援演説も上手で、しかも、動画にあるように、鈴木氏の演説中はずっと車に手を振っていました。ムネオ氏についてはいろいろと言われますが、やはり人心掌握術には長けた方かと思います。(実は私も握手しました!)以下、応援演説の一部です。
去年北海道は命名150年でした。150年前の日本を作ったのは、20代、30代の若者ではなかったでしょうか。この北海道、151年というならば、新しい北海道づくりをしようではありませんか。
要約すれば、今回の知事選は、①官僚出身者による中央からの利益誘導モデルはもう限界で、道民自身が何とかしなければならない、②能力と気概のある移住者が北海道で大いに活躍できる、③中央との対決モデルも、もちろん機能しない、ということを示したものだといえます。
その意味では、今後の北海道はますます面白くなってきました!