残せ! 宗谷線の秘境駅:抜海駅を中心に
2019年3月のJR北海道のダイヤ改正が発表されました。この中で、「極端にご利用の少ない駅の廃止」の対象として、根室線2駅、花咲線1駅となりました。幸いにも我が宗谷線の駅は対象とはなりませんでした。
しかし全く安穏とはしておれず、宗谷線においても「極端にご利用の少ない駅」はかなりの数が存在しているといえます。筆者の個人的意見として、筬島、糠南、雄信内、安牛、南幌延、下沼、抜海が思いつきます。
さて、稚内市内には宗谷線の鉄道駅が四つあります。稚内、南稚内、抜海、勇知です。稚内と南稚内は、稚内市街にある有人駅です。勇知は、筆者の最寄り駅でもありますが、勇知地区の住宅地の中にあります。よって少数ながらも利用者が存在しているかと思われます。
事実、2018年3月のある日、勇知駅を停車または通過する列車をすべて撮影しましたが、2名の利用者がいました(下の動画参照)。
しかし、抜海については、抜海の集落(漁港)とかなり離れており、また周辺には民家が1軒(おそらく)しかありません。よって、勇知と比較しても、さらに乗客が少ないことが推測されます。
このためJR北海道が「極端にご利用の少ない駅」の廃止対象の一つとして検討していたとしても、何ら不思議ではありません。
この抜海駅の特色としては、「日本最北の木造駅舎」であることが指摘できます。このことが幸いして、2018年3月に公開された映画「北の桜守」(主演:吉永小百合)のロケ地として用いられました。映画の中では「白滝駅」となっていますが、看板を付け替えただけで、抜海駅の駅舎がそのまま用いられています。
抜海駅の駅ノートの記載を見てみると、実際に「北の桜守」を見て訪問された方もいました。最近、多くのいわゆる「秘境駅」には駅ノートが設置され、旅人が思いを綴るのですが、この抜海駅では、誰が行っているのか分からないのですが、過去のノートはすべて印刷・製本され駅に置かれています(写真)。思い入れが深い稚内市民の方でしょうか?

さて、確かに利用者は少ないものの、決して皆無ではないという出来事がありました。筆者が抜海・徳満を普通列車で往復した際のことです。徳満で乗車した普通列車(旭川始発)に、外国人の若者2名が乗車していました。「稚内まで行くのか?」と思っていたところ、何と抜海で下車しました。
そのまま歩いて行こうとしたところ、車で来ていた筆者が「どこへ行く?」と質問したところ「海」と答えました。おそらくは抜海漁港のアザラシを見に来たと思われましたところ、車で漁港までお送りしました。話を聞くと「北海道のドキュメンタリーを撮影している」とのこと。抜海のアザラシはどこで聞き及んだのか、聞くのを忘れましたが、外国人の一部にも知られているのかもしれません。
ただ、稚内市として、抜海のアザラシを積極的に広報できない「大人の事情」については、このブログの記事でもお伝えした通りです。
それはともかくも、こうした形での需要もあることにはあるところ、確かに抜海から漁港まで距離があるので、季節限定でレンタサイクルというのもあるのではないかと。そういった活性化策をもって、少しでも抜海駅の利用者を増やし、ロケ地の保存という意味でも、存続につなげていきたいものです。
なお、抜海駅の紹介動画も作成しました。ぜひご覧くださいませ。