現在、国会で入管法改正案が審議されています。これは新たな在留資格「特定技能」を創設し、人手不足分野での「一定の知識と経験」を持つ外国人の就労を認めるというものです。
ということを念頭に置きつつ、日本最北の稚内における在留外国人を見ていきたいと思います。
2018年7月11日の「日刊宗谷」によると、2018年6月末現在の稚内市の日本人人口は34,051人とのこと。前月末と比較して34人の減少とのことで、人口減少が進展しています。
さて、2018年6月末現在の稚内市の在留外国人数は合計372人で、男が98人、女が274人と、圧倒的に女性が多くなっています。そのうえで、この記事では、以下のように述べられています。
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最も多いのは依然として中国で180人。そのほとんどが水産加工業などで受入れている研修生(女性)。ここ数年で一部の水産加工業者が、中国人からベトナム人にシフトしており95人に。次いで韓国・朝鮮が36人。稚内北星学園大学で受入れている留学生などネパールが25人で、中国以外は前月と同数。
このほかはロシア12人、アメリカ7人、フィリピン6人、ポルトガル、ルーマニア、タイが各2人、フランス、ドイツ、インドネシア、カナダが各1人。
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外国人も含めた稚内市の総人口は34,423人で、このうち外国人が372人のため、稚内市の人口の外国人比率は約1.08%となります。2018年1月1日現在の全国での外国人住民比率は1.96%(総務省・住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(平成30年1月1日現在))ですので、稚内は全国の半分の比率ということになります。
日刊宗谷の記事にありますように、稚内では女性が多く、その多くが水産加工業の技能実習生のようです。この中心が中国と、最近増加しつつあるベトナムのようです。水産加工業は稚内の主力産業ですが、これが若い女性の中国人・ベトナム人によって支えられている構図が見えるように思われます。
事実、「ホタテ加工員募集」といった広告が地元紙に掲載されており、どうもここでも人手不足の感があります。
また稚内の技能実習生の中国からベトナムへのシフトが進んでいるとのことですが、これは全国的傾向で、2018年6月末で、在留資格「技能実習」につき、中国人が約7万5千人のところ、ベトナム人は13万4千人とすでに、逆転しています。
報道等によると、現在審議中の「特定技能1号」の対象となる業種は14業種が念頭に置かれており、その中に「漁業」があります。このため、これが導入されると、現在の技能実習修了者が「特定技能1号」にシフトし、継続して就労することも推測されます。
このように稚内の在留外国人の大半が技能実習生のようですが、記事にもありますように、稚内北星学園大学にはネパール人の留学生がいるようです。どうもそれ以外の留学生はほとんどいないようで、なぜネパール人なのかはよく分かりません。なお、私がよく行くラーメン屋さんにも、ネパール人と思われるバイトがいます。会話は結構上手ですね。
技能実習生はどうも日曜日がお休みのようで、スーパーの駐車場に「〇〇水産」と書かれたマイクロバスが止まっており、集団でスーパーに買い物に来る姿も見られます。集団行動している若い女性たちで、なんとなくわかります。興味深いことに、日曜日の特売卵が「おひとり様1パック限定」のところ、ここだけ中国語表示がありました。

あと、水産関係と比べて数が少ないかと思いますが、酪農関係の技能実習生も一定程度いるように推測されます。私の近所の酪農家さんも、中国人女性3名を使っているとのこと。なお、彼女たちを地域の行事にも連れてきていて、地域になじんでいるように思います。一部運動家の「技能実習=奴隷労働」といった主張が、如何に一面的かということでしょう。
以上、稚内の在留外国人について解説しました。特に在留資格別、性別において、現地の産業構造と深く結びついた特徴が表れているものでした。新しい「特定技能」の導入によって、稚内の在留外国人もどうなっていくのか、引き続き注視していきたいと思っております(国会で改正法案が成立するという前提ですが、野党の批判も些末な点に終始しており、成立するでしょう)。