衆議院の小選挙区は全国で289選挙区あります。この中で、稚内市が含まれるのが「北海道12区」です。そしてこの北海道12区は、日本最北の選挙区であると同時に、日本における最大面積の選挙区なのです!
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その面積は、1万5316平方キロです。日本最小の選挙区が東京14区(台東区の一部、墨田区、荒川区)ですが、この面積は26.9平方キロに過ぎません。よって、北海道12区は東京14区の約570倍の面積なのです!

実は人口密度で比較しても同じ結果になり、人口密度が最も小さいのが北海道12区の23.6(人/km2)である一方、東京14区は20106.7(人/km2)となっています。 東京14区では1平方キロに2万人も住んでいますが、北海道12区ですと、たったの23人程度に過ぎません。ただもちろんこれは平均値で、農業地帯、牧草地帯などのかなり人口密度が低い地域が多く含まれていることが反映されているかと思います。

含まれる自治体も、以下の多数に上ります。

北見市、網走市、稚内市、紋別市、猿払村、浜頓別町、中頓別町、枝幸町、豊富町、礼文町、利尻町、利尻富士町、幌延町、大空町、美幌町、津別町、斜里町、清里町、小清水町、訓子府町、置戸町、佐呂間町、遠軽町、湧別町、滝上町、興部町、西興部町、雄武町

最も北なのが稚内市、最も西が礼文町(礼文島)、最も東が知床が含まれる斜里町となります。

ちなみに、稚内市役所から斜里町役場まで、Google Mapによると、352キロ、車で約6時間のようです。これは休憩時間なしですので、休憩も入れると丸一日の移動ということになります。これだけ広大な選挙区であるということご理解いただけるのではないかと思います。

2017年の衆議院議員選挙で選出されたのは、武部新氏(自民党)です。この選挙区は以前、武部勤氏が選出されていました。武部勤氏は斜里町の出身で、小泉政権時代に自民党幹事長を務め、「北海道のヒグマ」と呼ばれていました。

2009年に民主党政権が成立した際には、民主党候補が選出され、武部勤氏は比例復活となりました。そして引退し、2012年に自民党が政権を奪還した際の選挙では、息子の武部新氏が選出され、それ以降の選挙、直近の2017年選挙も含め3回連続当選しています。

北海道は12選挙区中、与党(自民党及び公明党)が7議席、立憲民主党が5議席となりました。東京都の25選挙区中、立憲民主党は4議席のみであるところ、北海道が立憲民主党の重要な基盤であることが確認できます。北海道12区は、武部勤氏からの時代も含めて、2009年の選挙以外では、一貫して自民党候補が選出されています。

直近の2017年の選挙結果は以下のようになっています。

武部新(自民) 97,113
水上美華(希望、元民主)58,422
菅原誠(共産)23,830

武部氏は水上氏をほぼ4万票引き離しており、北海道12区において強い支持基盤があることが確認できます。しかし、北海道5区では自民が勝利したものの、自民党候補と立憲民主党候補の間の差は、わずかに約7千票しかありませんでした。

北海道12区の市町村の中で「市」なのは、北見市、網走市、稚内市、紋別市です。北見、網走、紋別はオホーツク管内で、稚内は宗谷管内となり地域的には違っています。

聞いた話ですが、武部氏、自民党は稚内では強いそうです。一方、北見周辺は旧民主党系が強いそうです。事実、水上氏の事務所は北見市にあったようです。ちなみに、武部氏は稚内、網走、紋別と3か所に事務所を開設しているようです。

広大な人口稀薄地帯を抱える豪州でも、内陸部の下院選挙区(小選挙区制)は実に広大なものとなっています。このため、事務所を数か所開設している議員もいます。何かこれと似ているな~と思います。さすが日本最大の選挙区ですね。
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写真のような形で、選挙区内に武部氏のポスターが掲示されていて、この選挙区の特徴をよく表していますね。