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アザラシというと、多摩川の「タマちゃん」のように、いかにも「可愛い」というイメージがありますが、実は、漁業関係者にとっては、「害獣」と言わざるを得ない状況のようです。

これについて、稚内の地元紙「稚内プレス」(2018年9月28日)に以下のような記事がありました。

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漁業被害5億4000万円 振興局主催 海獣被害防止対策会議

 宗谷総合振興局海獣防止被害対策連絡会議が28日、水産ビルで開かれ、参会した漁業関係者らがトドやアザラシによる漁業被害対策などへの認識を深めていた。
 道や市職員、稚内漁協から参会した28人を前に、宗谷総合振興局の大友水産課長は「今年度はアザラシの個体数調査など実施し追い払いの手法を検討しており、被害減少に向けて意見を交わしたい」などと挨拶。このあと、水産課から昨年度の宗谷管内の海獣被害は減少傾向にあるものの被害額は5億4000万円にも及ぶことなど説明があった。
 東京農業大学生物産業学部海洋水産学科の小林万里教授が「宗谷管内におけるアザラシについて」と題した講話では、アザラシが流氷減少により自由に移動ができるようになりアザラシ猟の衰退などにより「直接的・間接的に生態を変えてきた」と話していた。
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このように、アザラシやトドによる被害、より具体的には、海産物を食べるという被害は、これだけ大きいもののようです。

拙宅から比較的近いところに、「抜海」という漁港を中心とする集落があります。実はこの漁港に大量のアザラシがいるのですが、地元の漁民の方々は、快く思っていないようです。というのも、アザラシは主力商品であるタコが大好きなようで、それを根こそぎ食べてしまうとのこと。

実は、稚内市がアザラシを観光資源にしようと、抜海漁港に「ゴマフアザラシ観察所」を設置したのですが、平成27年度以後、現在に至るまで「休止中」となっています。

というのも、抜海の漁民としては、アザラシを駆除してほしいと望んでいるところ、市民が駆除してほしいと望むアザラシを、市としては観光資源とは致しがたい、という複雑な事情があるからのようです。

以前ブログでもシカの恐ろしさについてお伝えしましたが、表面上はかわいく見えても、実際にこれらの動物が存在する地元の人間にとっては、物理的または経済的被害を与える存在でしかない場合があります。感傷的な「動物愛護」も大いに結構ですが、実際に被害に遭っている人間の利益が最優先ではないでしょうか?