さて「水落とし」しても生活できる方法の説明です。
実は、幸運なことに、稚内の拙宅では、水抜きが、①トイレ、②ボイラー→洗面台・風呂・流し等の各蛇口、の二系統に分かれています。このため、業者さんを呼んで水落としをするのを②に限定し、①の系統については、訪問のたびに自分で水落としをすることで、滞在中の生活用水を確保することが可能になるのです。
②の系統の水落としが素人では難しいことは、前回お伝えした通りですが、①については、素人の私でも、何とか成功しました。トイレの水落としは単純で、まず水抜き栓を閉め、あとはトイレの水を流したままにしておくことです。こうすると、タンクの水が空になり、凍結を防止できます。
ただ、トイレ本体の中に水が残るため、ここには、不凍液(「凍らんブルー」などという名でホーマックに売っています)を入れておくと、凍結しません。
しかし、これをやっても、凍結して出てこない事態があり、これも配管業者さんを呼んで、復旧していただきました。原因は、水抜き栓からトイレのタンクまでの間の水道管に水が残っていたためのようです。これ以上水の抜きようがないので、業者さんに「どうすればいいのか」と聞くと、「パネルヒーターを常時置いておけばいい」とのアドバイスをいただきました。
つまり、不在中も、トイレ室の中にパネルヒーターを置き、電源を入れておくと、トイレ室の室温は上昇し、氷点下以下とならないため、凍結が防止できるということなのです。実際にこの技を取り入れてみると、凍結は回避できました。
ただ、冬期間、ずっとパネルヒーターの電源を入れておくと、かなりの電気代になるのですが、凍結防止のため、致し方ありません。
こうした技を用いて、トイレの系統からの水は確保できました。
次に、この水をどうやって生活に使うのか、についてご説明します。
手洗いのためにタンク上部の蛇口から出る水を鍋で受け止めます。これを①ウオータータンク、②やかん、③ペットボトルに入れます。

①はアウトドアで使う、飲料水を入れて、下部の蛇口から出るものです。これを流しの上に置き、食器洗い用の水として使います(写真)。最初はペットボトルの水をかけていたのですが、片手がふさがってしまうため、ホーマックで、これを購入しました。一旦出すようにしておくと、手を離しても水が出続けるため、両手で食器が洗えます。我ながら、なかなかのアイデアであると、自己満足しています。

②について、ホーマックで置いてあった最大規模のやかんを購入し、これに水を入れ、ストーブの上に置いておきます(写真)。水落とししなければならない時期には、当然ストーブをつけます。このため、お湯が確保できます。①の場合の食器洗いは水ですので、お湯が欲しい場合は、やかんからかければいいのです。
③については、やかんの水が減った際、やかんごとトイレに持っていくのは危険のため、継ぎ足し用に準備しておきます。ペットボトルの蛇口が細いので、これもホーマックでじょうろを購入した次第です。
なお、これらは生活用水の話で、飲料水はペットボトルの水を購入しています。念のため。
さて、ボイラーが停止しているため、自宅で風呂やシャワーには入れません。稚内滞在中、筆者はほぼ毎日、外の温泉に行くので、問題はありません、とは言い切れません。
冬場には激しい暴風雪になることがあり、こうなると、外に出て運転することそのものが危険です。昨冬、吹雪のため、一日中家に出れないことが何度かありました。
外は寒いのですが、屋内は強力な灯油ストーブで、実にあったか、快適なのですが、結構汗をかきます。となると、シャワーぐらい浴びたいのが本音です。
そこで編み出した技なのですが、風呂場の床にタオルを置いて、②のやかんを置きます。そして、③のペットボトルを数本配備します。そのうえで、洗面器にやかんのお湯とペットボトルの水を入れて混ぜ、適温にします。これを体や髪を洗うのに使うのです。
このように寒冷地ならではの、「水落とし」の必要性と、その中でも何とか生活する術でした。不便と言えば不便ですが、とてつもなく不便というわけでもありません。冬の稚内ライフも非常に楽しいものです。外が吹雪いているのを、暖かい室内から眺めながら、冷たいビールを飲むのは格別です。