宗谷線については、このブログでも、その「不都合な真実」をお伝えした通り、今後の中長期的な維持は厳しい状況です。
それはそうと、久々に大好きな宗谷線に乗ってみたくなり、「ミニミニ旅行」をすることとしました。特に音威子府以北は本数が少ないので、なかなか難しいのですが、以下のルートを編み出してみました。

抜海駅まで車で行く。
抜海駅10時44分発名寄行き普通列車に乗車。
この列車が稚内行き普通列車と豊富で行き違いをするため、その前の徳満まで乗車。
徳満11時10分着
徳満11時22分発稚内行き普通列車に乗車。
抜海駅11時49分着
このように、抜海から徳満までの往復で合計1時間程度の「ミニミニ旅行」です。
10月下旬にこれを実行しました。
抜海駅到着時、乗客は5名(うち旅行客と思われる方3名)でした。その間兜沼で地元のおばあさんと思われる方が1名乗車。徳満で筆者が下車。
帰りの列車ですが、徳満到着時には乗客は筆者以外に4名。その間抜海まで乗車・降車もなく、筆者が抜海で下車。
通勤・通学時間帯ではなく、かつ、18きっぷシーズンでもない、平日の昼間だからでしょうか、乗客は一桁台という状況です。ただ、兜沼で乗車された方がいるように、地域の交通網としての役割がないわけでは決してありません。
その理由として……そもそも車を運転できても、冬期間は非常に厳しいこと、さらに、高齢女性には、免許を持っていたご主人が亡くなり、免許を持たない方が多いであろうこと、さらに、この地域では運転ができなければ、たちどころに生活に支障をきたすこと……ということが指摘できます。
このため、稚内・札幌間の代替交通手段である、飛行機と都市間バスに比べれば、札幌・稚内の移動という点に関しては確かに不利な面が多いのですが、地域内の交通手段としては他に代替不可能な点があるかと思います。
さて、久々に短時間ながら宗谷線に乗車しましたが、これがまた、車とは違った景色が楽しめました。まず、車を運転をしていると、当然ながら前方に視線が集中しますが、列車にのると、左右の景色を楽しめます。また、鉄道の場合、線路脇まで木があり、「森の中走行」の感がありますが、道路の場合、そこまで、木が車に接近しません。
また、特にこの豊富以北の区間は、酪農地帯で、途中広大な牧草地を眺めることができます。稚内の拙宅で毎日見ているような風景ですが、やはり、この雄大さには改めて感動します。ちなみに、片道540円、往復1080円を宗谷線に、微小ながら「貢献」しました。

以前、毎年、年末になると、18きっぷを駆使して、北海道の鉄道に乗っていたのですが、やはり、最もよかったのは宗谷線の音威子府以北です。朝6時ごろの旭川発稚内行き普通列車に乗って、北上し、音威子府に着くと、「やっとこれから本番!」と思っていました。
このように私のような「宗谷線に乗るのが好き」という方々も、ある程度はいるかと思います。こうした人々のニーズに応えるために、例えば、18切符以外のシーズンに、1日3000円で、「単独維持困難」とされた稚内から名寄間で、特急自由席も含めて乗り降り自由、という切符を発売してみてはどうかと……
とにかく毎日列車を走らせているところ、この固定費が発生しているわけなのですから、現在の運賃収入が代替されない範囲で、一人でも多く乗せる(金をとる)ことができる工夫があってもいいように思います。
ちょうど、「JR北、佐川と貨客混載、タクシー会社とも連携」(日本経済新聞北海道経済面、2018年10月30日)という記事があり、稚内・幌延間で荷物の輸送も行うようです。画期的な取り組みだといえます。
前人未到の地を開拓し、先人のすばらしい努力の結果、酪農も含めて、我が国の一大食糧供給基地となった北海道。その歴史を考えるたびに、先人に思いをはせ、どれだけ現代の我々が恩恵を受けているかを考えるたびに、感動に堪えません。
人口減少とそれに伴う、「維持困難路線」の維持という、まさに「前人未到」の課題が突き付けられている中、先人に負けないような知恵と工夫で乗り越えていければ、と思います。