このブログでも、「北海道暮らしフェア」についてお伝えしましたように、人口減少が進展する、北海道の都市部以外の自治体においては、移住者の呼び込みに熱心です。
その中核的事業の一つとして、「移住体験住宅」があります。これは、その自治体の一般住居を格安で貸し出し、ある程度の期間、そこに住んでもらうことで、移住へのきっかけとしてもらいたい、というものです。
何を隠そう、筆者自身、稚内市の移住体験住宅を2回利用し、結果として、稚内と本州との二地域居住に至りました。その経緯は以下をご参照ください。

さて、稚内市の東隣のホタテの産地である猿払村でも、移住体験住宅があります。
猿払村の住宅ですが、他の周辺自治体が先行して取り組んでいたこともあり、違いを出すことと、単なる一時滞在ではなく、本当の意味での移住候補者を確保するために、以下の違いを出したそうです。
①2週間以上の利用とする
②居住期間の半分を就労体験に従事する
というものです。①について、確かに稚内が最低1週間ですので、長期です。②が最も特徴的なところです。確かに、稚内では、そうした要件はなく、基本的には入居を開始すると、退去まで干渉はなしです。
(最も、2017年に稚内の住宅を利用した際には、半日、市内の諸施設の視察と、夕方には他の移住体験者と市役所担当課の方々とで交流会があり、これは非常に楽しかったです。)
さて、就労体験ですが、これ猿払村役場が指定するわけでなく、入居者の資格や経験、さらに希望を聞き、オーダーメードで、アレンジしていただけるそうです。役所側にとっては、確かにこれは大変のようですが、真の移住候補者の確保、という観点から取り組まれているとのこと。
確かに、私自身、2017年の住宅利用時には、その地区の町内会が、バーべーキュー大会に誘っていただき、地元の方々と交流できた点も、大変良かったです。その意味では、「就労」を通じて、地元の方々と接触することができるという意味では、実に有意義な取り組みと言えます。
また、「就労」と言っても、過去には、体操が得意な方が、小学生に対して体操の指導をした、という事例があったそうで、必ずしも、現金収入が発生する意味での就労というわけではなく、あくまでも入居者の実情に応じて、柔軟に対応していただけるようです。
ちなみに、猿払村は、ホタテの産地だけあり、それに従事する漁師の収入が高く、自治体別の平均所得では、何と全国第三位という「金持ち村」なのです。確かに、村内を走行していても、巨大な民家が多いです。なお、エレベーター設置の家もあるとか。
こうした高い収入のためか、子供を設ける世帯が多く、3人や4人の子供がいる家庭も珍しくないようです。よって、通常、稚内も含めて、人口の自然減及び社会減を経験しているのですが、猿払村では出生数が多いため、死亡数とほぼ拮抗し、自然減が発生していないとのこと。
写真の住居も、稚内のように旧教員住宅の転用などではなく、新築したそうです。

なお、猿払村には「エサヌカ線」という牧草地帯の中を貫く道があります。筆者も走行しましたが、道道106号線の少し小さい版といったところでしょうか。そもそも、牧草地へトラクターが進入できるための道ということもあり、106号線のように、地域間を結ぶという性格のものではないため、途中で曲がらなければならない箇所もあります。
とはいっても、実に雄大な風景です。これらも含めて、猿払村にも足を延ばしてみてはいかがでしょうか。