稚内の西岡整形外科クリニックの院長が、非常に興味深いコラムを書いておられます。(なお、個人的に筆者もこのクリニックにお世話になっています。)

外国人観光客の増加のために、北海道の宿泊施設の価格が異様に高騰しているとのこと。ところが震災後、外国人観光客が激減したために、かなりの値崩れを起こしたとのこと。

その上で、以下のように述べられています。
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さらにこれまで、日本人が泊まる気の失くすような不相応な値付けをして
外国人相手に儲けておきながら、いざ震災が起きて「日本人来て下さい」というのは、「大変なんだろうな」とは思うが、ほとぼりが冷めるとまた以前のように外国人目当てに戻るのかと思うと、すんなりと応援したい気持ちには、私はなれない。
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外国人観光客を積極的に誘致する目的は、宿泊や買い物、旅行サービスの利用の結果、観光業界における国民の雇用が創出されるからに他ならないからでしょう。しかし、そのことによって、宿泊価格が異様に高騰し、国民の国内旅行が阻害されてはならないはずです。それによって、可処分所得が減少するようでは、他の消費が停滞する恐れもあります。

もっとも、ホテル業界も需要と供給のバランスで価格を決めているのでしょうが、震災後、「外国人が減って観光業界は大変」と、このコラムが指摘したような問題(異様な価格設定)を脇において、「被害者」を演じるのはどうかと……

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さらに、以下のような有益な指摘もされています。
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北海道には他にもっと、応援しなければならない業種があるのだ。
それは、今回の北海道全戸停電により一番の被害を受けた酪農家である。
私の患者さんでも酪農家は多く、職業柄なのか、概して控えめで我慢強い方が多い。

爆買い観光客相手に儲けてきた業種への補助より、これまでつつましく暮らしてきたのに天災で(人災で?)大打撃を受けてしまった、北海道の基幹産業への補助が最優先だと、私は思う。
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まさにご指摘の通りです。筆者も酪農地帯に住み、酪農家の方々と直接に接していることからも、まったくもって同感です。

最近、酪農家の子供が親を継がない、という話を聞きます。親の大変さを身近に見ているからでしょう。この背景として「最終的には国が支えてくれるという保証がなく、リスクが大きすぎる」といった話も聞きました。

今回の地震・停電で、生乳不足となり、それが北海道のみならず、全国に波及しました。生乳は輸入するわけにもいかず、必ず国内で生産されなければならないものです。その生産者を支えるのは当然のことといえます。目立たず、地味だけれども、無くてはならない業種です。

政府による一部の「目立つ」特定業種のみに対する支援、そして、仮にその支援の対象が「日本人が泊まる気の失くすような不相応な値付け」をするような業界であるならば、広範な国民の支持は得られないといえます。

(追加)2017年8月、移住体験住宅に入居した際、市役所の方が、市内の視察に連れて行ってくださいました。その中で酪農関係も視察しましたところ、以下の「牛の大移動」を見ることができました。