パナソニック株式会社特別顧問の谷井昭雄氏に、松下幸之助氏の遺された言葉についてお話を頂く機会がありました。
その1、「君、商品を抱いて寝たことがあるか?」
谷井氏が入社4年目にして初めて松下幸之助氏にお会いした時、こう話しかけられたそうです。このあとは、こう続きます。「商品を抱いているとなあ、商品が話しかけてくれるんや。」
技術者は、それほど深い愛情を注いで商品を開発しなくてはならないと、谷井氏が知った瞬間でした。
その2、「品質管理も大切やが、"人質(じんしつ)管理"はもっと大切やで。」
谷井氏が、商品の品質管理対策に奔走していた時の松下幸之助氏の言葉です。谷井氏が、商品よりもさらに深い愛情を、"人"に対して注ぎ、育てなければならないと悟った瞬間でした。
その3、「うちのに決めたで。」
ビデオオテープレコーダー開発で松下陣営はSONYに遅れを取り、SONYの開発したベータマックスに歩調を合わせるのか、開発中のVHSにするのか、松下幸之助氏は難しい選択を迫られました。数年の葛藤の後、松下幸之助氏の発した言葉がこの一言でした。
17年の歳月を経てVHSを完成させた技術者達は、どれほどうれしかったことでしょう。
事業部長としてVHSを成功させた谷井氏は、その後、同社の社長となられ、現在は日中国際貿易センターの会長に就任されています。
「"情報"とは、"心を伝える"事なんですよ。頑張って下さい。」
谷井会長の手の温もりを感じながら、非常に大切な"心"を伝えていただいた気がしました。