東京都文京区の光源寺の仏像「駒込大観音(おおがんのん)」を巡り、寺が頭部を無断で取り換えたのは著作権侵害として、制作した仏師の遺族が寺に元の頭部に戻すことなどを求めた訴訟の控訴審判決で、知財高裁は25日、経緯を説明する広告を毎日新聞などに掲載するよう命じた。飯村敏明裁判長は「著作権侵害に当たる」と判断したが、1審・東京地裁判決(09年5月)が認めた原状回復請求は退けた。

 旧大観音は1697年につくられ1945年の東京大空襲で焼失。寺の依頼で仏師が93年、新しい仏像(高さ約6メートル)を制作した。しかし、檀家(だんか)の一部から「目が怖い」と苦情が寄せられたため、寺は仏師の弟子の制作した頭部と取り換えた。

 高裁は1審同様に「頭部取り換えは、仏師の意思に反する改変」と指摘。一方で「頭部を元に戻せば寺が仏像全体を焼却することが推測される。元の頭部も観音堂に保管されており拝観は可能」と原状回復を認めず、新聞広告で仏師の名誉は十分に回復されると結論づけた。【伊藤一郎】

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