時間

人間にとって時間は有限である。おそらく世に存在するものにとってはおしなべてそうなのかもしれないが、そこに言及していると話が進まないので、省略する。ともかく、人間にとって時間は有限である。生まれ落ちたその瞬間から人生の幕切れの時まで、常にカウントダウンされている。そうであるならば、人間にとって時間とは非常に貴重であり、かけがえのないものであるはずだ。

しかし、私たちはしばしばこれを無駄にしてしまうように感じる。意味もなくスマホを見て過ごしてみたり、面白くもないテレビの前で1日を終えることもある。そんな時、時間を無駄にしたという感覚に襲われることがある。有限であるはずの時間を、あまりに無為に使ってしまったと。しかし、最近ふと思うのだ。その無為に使われた時間は人生という大きな流れの中で、果たして本当に無駄だったのか。

何かを生んだり、大きな流れを変えるような作用こそしないものの、自らにとっては休息や、思考の整理といったなんらかの効果があったのかもしれない。そう考えると無為に過ごした時間にも意味が見えてくる。全ての行動は、自らの意思によって選択したものであるのだから、どのように時間を過ごそうとそれは正解なのだろう。

そうやって言い訳を考えて自分を納得させる。