こいつはまた突拍子もないことを・・・・・・。
わざとらしく溜め息を吐いて、馬鹿なことを言っている友人を細い目で見た。
「いや、マジなんだって!」
その態度はあまり嘘を言っているようには見えなかった。
嘘にせよ、万が一本当にせよ、この喧騒の中で逆に助かった。誰かに聞かれでもしたら自分まで変な目で見られる可能性もある。
「おい、今ひどいこと考えてただろ」
ずいっと身を乗り出して顔を覗き込んできたため、上半身を反らし距離を取りながら、人の心を勝手に読むな、とそいつのおでこにデコピンをかました。
おでこを少し赤くしながらも、主張を止めることはなかった。
幽霊・・・・・・?
そんなまさか。
存在はするのかもしれないが、こいつが見たというのは疑わしい。なんなら、
「お前の全てが疑わしい」
ちょ、それはさすがに言い過ぎだろ、と凹むそいつを見ながら少し前の出来事を思い返していた。
「なあ、なんだあれ」
顔を上げると、幽霊だなんだと騒いでいたこいつは窓の外を指差していた。俺の方を見ずに一点を見つめ続けている。
「幽霊でも出たか?」
そう言いながら窓の外を見た。
なんだあれは。
実物など見たことがない。いや、そもそも存在するはずがない。
けれど自分にはそれを形容できる言葉が一つしかなかった。
「死神・・・・・・?」
-続く-