自分は自分として認識してもらいたかった。
けど、それは嫁の弟に変わっただけ。
あの人の「助けて」は俺に対してじゃない。
それでも助けたいと思うのはエゴで、
それが分かっていても手を伸ばしてしまう。
その手を握ってもらえることがなくても、
手を伸ばしたことを後悔したくはないし、
何も掴まないまま引っ込めるつもりもない。
いつか、あの人が救われる時が来ても、
それは俺のおかげなんかではなくて、
それでもきっと俺にも礼は言うのだろう。
それを分かっていて俺は何を返せばいい。
何も言えないだろう。目も見れないだろう。
良かったねなんて他人事のように言って、
困惑するあの人はそれでも笑顔で、
俺は、俺は、