昨日、ドラマ華麗なる一族を見ているときに出てきた言葉
『理想と現実』
阪神銀行の頭取である父の万表大助が系列の会社の専務である息子の鉄平を
陥れようとしているときに鉄平の弟である銀平が父の大助にいった言葉。
「にいさんには技術者としての理想と経営者としての信念がある」
また
「理想や信念が策謀に負けるはずがない。だから兄さんには人がついてくる。
だから今回勝っても必ず父さんは兄さんに負ける」
と言っています。
この言葉今の僕にはすごく効きます。
理想や信念、夢、社会貢献、などいろんな志や意志をもって
企業をします。
しかし、成功や挫折を繰り返し、苦悩や歓喜を競争社会の中で巡らせるうちに
策謀や派閥、系列などの壁をみるうちに自分自身も策謀をめぐらせるようになる。
私のような会社でも決算と言う数字の成績表があるわけで
周りが成功して行ったり、倒産したり、うまく会社がまわらない話を聞いたり
していくうちに会社を守らなければいけないという強い決意に変わってくる。
私も今期周りに対し、3年目の会社として実績がでなければサラリーマンに戻ると
プレッシャーをかけています。
確かに最近会社を守り、結果を出す事が大儀だと言う考え方で動いていました。
最初は鉄平のような考えで動いていたのに、今の考え方はお父さんの大助に近い。
そう今は何がやりたくて会社をやっているのか時々見えなくなることが多いのです。
これも幸か不幸かうちの最近の会社のトラブルでちょうど気付かされたところでした。
会社の実績を出そうとする余り、無理をして急速に事業を増やそうとしていました。
このトラブルはいい警鐘でした。先を見ようとする余り、足元が緩んでいる事に気付かされました。
非常にこのトラブルでは精神的な疲労が多かったですが、事業の方はだいぶ今回の事で整理され
楽になりました。無理をしてやろうとしていた事もあったので辞めると思った瞬間から非常に楽になりました。
かといって、この華麗なる一族の話は高度成長期の日本の話であって2次産業がメイン産業だった時の話です。
だから理想や信念だけで一丸となって日本のために生きていける環境がありました。
しかし、今の日本は情報化社会であり、グローバライズされた中どう自己防衛をし、生きていけるかと言う環境の
変化があります。
そのために情報を見極める能力と情報操作に長けている方が俄然有利にできています。
情報に関しては圧倒的に企業が有利であり、我々中小企業にとってはそれだけでもハンデです。
だから理想や信念だけではなかなか企業体として成長力を維持するのは難しくなっています。
策謀も必要ですし、ネットワーク、そして資金調達力が何よりも重要になってきます。
どうしても理想と信念だけではこの社会で生き残れない。
だからどうしても会社の中小企業は大助よりの考え方になってしまう。
そんな中、
一度会社も一緒にやった事もあるイー・アクセスの千本氏が
イー・モバイルの発表をしていました。
ADSLでイーアクセスを作ったように、パケットの定額性で13年振りに
3大キャリアに勝負すると言っておられました。
0から3大キャリアと勝負する。これは正に理想と信念です。
60歳を超えてまだ衰えぬ事業意欲にエールを送りたいと思います。
京セラ、DDI、イーアクセスと屍を乗り越えながら歩いて目標を達成していく
プロフェッショナルさを見習いたいです。
この時代の理想と信念を貫くと言う事はつくづくお金がいると言う事をつくづく痛感します。
お金がなければ理想と信念は費えてしまう。
これが理想と真実なのかも知れません。