BPOにおいてはシェアードサービスに比較し、留意する点が多いので

それらについて述べて行きたい。


1: Vendorの選択


この際における契約の締結についてであるが、BPOに関してはシェアードサービスと違い外部に委託する為責任の所在についてはシェアードサービス以上に

明確に明示することを進める。



また、Goliveの条件についてだ。


通常、BPOにおいては移行完了後、パラレルランというものが儲けられる。

パラレルランの間は移行が完了していてもプロセスオーナーはアウトソーシング元にあるのが通常であるが、このGoliveの条件が曲者だ。

まず、Vendorが所在する国により、国民性も考えなければならない。


シンガポールの国民性は日本と似ている。

責任があり、向上心も高い。


とは言え、これはどこの国にも共通するが、終身雇用なんていうものが設けられているのは日本ぐらいで、大抵海外では気軽に転職を行える。

何社で働いていようが経験や実力さえあれば日本では比較にならないほどたやすく仕事が見つかる。


あまりに無理な条件を押し付けるといつまでたっても安定せず、士気は低下し

日本側ではもうスタッフは辞めているのに、プロセスは安定せず

挙句の果て失敗と言うことにもなりかねない。


中国の国民性は日本と比較し責任感があまりない。

これは人にもよるが、バブルがはじけている近年の中国においては

昔で言う成金が多く、「別にお客様に怒られてまで、残業してまで

頑張る必要もない。これなら会社を辞めた方がましだ」

という考えの人たちが必ず5人に一人はいる。


また、離職率も非常に高く、BPO業界においてはマネージメントの層も

非常に若い(これはインドも同じである)

短期で急成長した上、グローバル化が進み、海外での経験があり

英語も話せるのはせめて30代前半の世代からなので

もし若者のやり方に臨機応変に対応できる自身がないような企業にはお勧めしない。



2:スケジュールの確定


目安としては早くてGoliveまで3ヶ月ほど。

アウトソーシングする業務量にもよるが、1年以上かかるようであれば

日本側、アウトソーシング先両者においてコストもかかる為

どこに問題があるか、本当に1年必要なのかを確認することを進める。


3:プロセスフローの分析



4:引継ぎ


ここでおおよそ1ヶ月~3ヶ月(業務量による)かけ、アウトソーシング先へ

業務の引継ぎを行う。


5:パラレルラン


プロセスオーナーはアウトソーシング元にあるが、

アウトソーシング元はアウトソーシング先のスタッフが契約条件に従い

業務を遂行しているか、本当にGolive していいのかを見極める必要がある。


6:Go live


これら全過程において重要なのはPDCAサイクルである。

遅延がないか、当初のスケジュールに則っているか。

必要に応じて、または一定の間隔で行うことを怠ってはならない。


PDCAサイクルとは

P=Plan

D=Do

C=Check

A=Act

の略でありこれらを繰り返すことによりプロジェクト改善に努める必要がある。


BPO, シェアードサービスに参入する上で、気になるのはメリットとデメリットだろう。


まず、BPO, シェアードサービスにおけるメリットについて。


メリット
*コスト削減
*ビジネスプロセスの改善により
業務効率の向上に期待できる
*コア業務、新規事業参入などに
投資できる時間の確保


両者において共通するものは上記のようなものになる。


ではデメリットについてだが


デメリット
*第三者へ委託するため業務のコントロールが失われる
*第三者へ業務上必要とされる情報を開示しなければならない
*当該企業におけるスタッフの業務知識の低下


大きなものとしては上記のようなものが挙げられる。

特に気になるのは2番目の情報開示についてだ。

例を挙げて言えば、どこからどの商品をいくらで購入しているか。

どの商品をどのカスタマーにいくらの単価で売っているかなども含まれる。


しかし、よく見てみるといずれにおいてもデメリットに関しては

BPOに対してのものでありシェアードサービスについては

これらのデメリットは適用されない。


とは言え、BPOが悪いわけではなく

BPO VS シェアードサービスでにおけるBPOのメリットを見てみると・・・


BPOのメリット
*設備投資などの費用はBPO ベンダーが行う為、設備費の削減
*オペレーション管理が不要となりマネジメントに要する
コスト、時間の削減が可能
*採用活動はBPOベンダーが行う為、採用に要するコスト、時間の削減



当該企業にとって重要視するポイントはどこなのか。

どこが妥協できるのか。

これらのメリットデメリットを踏まえた上で目先のことだけにとらわれず、

検討して頂きたい。


BPOとシェアードサービスについて


BPOとは

Business Process Outsourcingの略であり、外部企業に

業務の委託をするアウトソーシングの事である。


シェアードサービスとは

グループ内の業務を一箇所に集中させ、業務の効率化、

コストの削減を図ることである。


つまり、これらの大きな違いは外部企業に業務を委ねる場合は

BPO、同グループ内で業務集約する場合をシェアードサービスと呼ぶ。


2004年頃から、中国、インドにおいてBPOやアウトソーシング業界のビジネスが

加速され、その後2008年のリーマンショック後には更に加速が進んだ。

その中で、多くの企業がこれらを採用しているが、残念なことに

流行にのっとっただけなのかシェアードサービスでさえも

BPOと誤って使用している企業は少なくない。


日本においては2008年のリーマンショック前は中国のみならず

シンガポールへもBPOやシェアードサービスセンターの進出が多かったが

不況後、更なるコスト削減のためそれらは殆ど中国へ集約されることとなった。

中でも中国では大連においてBPO企業を設立した場合、

中国政府の援助が受けられる為多くの企業が大連へ進出した。


インド大手のTATA, Infosysなどは中国で優秀な大学がひしめく

浙江省杭州においてBPO会社を設立し、優秀な人材の確保を図ったが

優秀な学生は獲得できるものの、優秀な経験者の獲得は難しく

いずれもこの3月までに大連において更にBPO会社を新設した。


差別化を図るべく企業は大連以外での開設を試みるが

中国では離職率が高い為、就職活動者達も、早く気軽に次の転職先が

見つけやすい大連を好む為、今のところ大連が主流となる。

(ITに関してのみ、近頃は四川へ流れる傾向が強くなっている)


シンガポールにおいては英語が通じると言うところもあるのだが、

不況になった今、新卒者の初任給はおおよそ2000SGD(=13万)なため,

2000元(25000円)ですむ中国にはかなわない。


シンガポールへアウトソーシングし、業務の質を下げるのであれば

(アウトソーシングすると、やはり業務をする者がネイティブで無い等の理由で

アウトソーシング前の業務クオリティを100%維持するのは難しく、

コストは下がるが業務のクオリティも下がる可能性があるのは否定できません)

同じ日本の田舎へアウトソーシングした方が、コスト削減にもなり、

クオリティの維持にもつながるため、遥かに効率が良いと思われる。


いずれにしても流行に乗るだけでなく、どこの国へどの業務をアウトソーシング

するかは周到な準備が必要である。