ミステリーもマンガの主要な題材ですよね。ただ、吹き出しが多くなってしまうのが玉に瑕。「サイコメトラーEIJI」(原作・安童夕馬、漫画・朝基まさし)はマンガという舞台で躍動した作品と思います。
サイコメトリーという能力を持った主人公。遺留品などから自身の頭の中に残留思念が浮かび上がります。その「像」が謎に満ちていたり、おどろおどろしかったり。「音」も表現されます。それらを見開き2ページでバーン!と。マンガの持つ表現力が存分に生かされます。
扱われる事件も猟奇的なものが多く、そこもマンガの直接的すぎない、かつ、巧みに雰囲気を伝える持ち味が良く出ています。マンガ的な手法を生かすために猟奇的な事件を選んだのかもしれません。
続編「サイコメトラー」もあります。
表紙紹介は講談社漫画文庫版です。