ザ・ビートルズ完全日本盤レコード・ガイド

ザ・ビートルズ完全日本盤レコード・ガイド

THE BEATLES PERFECT JAPANESE RECORD GUIDE(BPJRG)を目指して、研究しています。

年明けから半月以上経ちましたが、改めまして明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

毎年、1回目の記事は初笑いエラー・レコード大会ですが、だんだんネタが少なくなってきて(笑)、昨年、一昨年はジャケットにビートルズの写真を使っているもののビートルズの楽曲が収録されていないレコード、すなわちビートルズのいないビートルズ・レコード、題して「WITHOUT THE BEATLES」を紹介しました。エラー・レコードとは意味合いが異なりますが、ビートルズの曲が入っていると思って購入したら入っていなかった、だまされた、と思う人がいることを想定して、エラー・レコードに近い位置付けとして取り上げます。

昨年は国内盤を紹介しましたが、今年は海外盤の紹介です。著作権、肖像権に関する認識が甘かった60年代前半発売の日本盤のように、おそらく世界には星の数ほどこの手のレコードは発売されていると思いますので、今回はUK、USで発売されたレコードの中から確認しているLPについて紹介します。

 

■THE MERSEYBOYS「15 GREAT SONGS COMPOSED BY JOHN PAUL GEORGE」(ACL-1169、UK:THE DECCA RECORDS、1964)

<ジャケット表>

<ジャケット裏>

まず、いきなり表ジャケットに文字しか印刷されていないLPですみません(笑)。ジャケット裏にジョン、ポール、ジョージの写真が大きく印刷されています。マージーボーイズというUKバーミンガム出身のグループのLPです。ビートルズのカバー曲15曲が収録されています。ジョージの「ドント・バザー・ミー」1曲が収録されているため、「ジョン、ポール、ジョージが作曲した偉大な15曲」というタイトルで、3人の写真が使用されています(リンゴが仲間はずれで可哀そう)。

このグループはそもそもブラムビーツ(THE BRUMBEATS)という名前グループ名ですが、ビートルズのカバーLPを出すにあたり、マージ―・ビート・グループであるということを強調するためにグループ名を変更してLPを出したようです。LP発売のレコード会社がビートルズを獲得できなかったデッカ・レコードですので、それくらいのことはやりそうです(笑)。

 

■THE MERSEYBOYS「THE 15 GREAT SONGS COMPOSED BY JOHN PAUL GEORGE」(VJ-1101、US:VEE-JAY RECORDS、1964)

<ジャケット表>

上記LPのUS発売盤です。収録曲はUK盤と同じですが、曲順は違います。USで大ヒットした「抱きしめたい」をA面1曲目に持ってきています(UK盤のA面1曲目は「フロム・ミー・トゥ・ユー」)。USでビートルズのレコードをキャピトルよりも先に販売したヴィー・ジェイ・レコードが発売しています。US盤ではUK盤とは異なり、3人の写真を表ジャケットに使用しています。発売がヴィー・ジェイでビートルズのジャケットとなると、ファンは思わずビートルズのLPと思って購入してしまったのではないでしょうか。ヴィー・ジェイとしてはそこが狙いだったのかもしれません。しかしこのレコード、市場ではほとんど見かけません。それほど騙されたファンはいなかったのか、キャピトル盤が発売されていて収録曲もダブっているので購入した人が少なかったのかどちらでしょうか。ちなみにタイトルの先頭に、UK盤には付いていない「THE」が付いています。

 

■NONE(JIMMIE HASKEL)「SINGA SONG WITH THE BEATLES」(SKAO-5000、US:TOWER、1965)

<ジャケット表>

次もUS発売のLPです。このジャケットは以前このブログで紹介したことがありますよね。そうです、一昨年紹介した東芝音工発売ジミー・ハスケルと楽団の「ビートルズと唄おう」のUSオリジナル盤です。去年紹介したので詳細は省きますが、US盤にはどこにもアーティスト名が記載されていないのです。東芝さんはよくこのLPがジミー・ハスケルと楽団の演奏だと分かったと思いますね(USからの情報はあったと思いますが…)。

なお、タワー・レーベルですが、このレーベルはキャピトルの子会社で、所有の盤はキャピトルのスクラントン工場でプレスされています。本LPにはモノラルとステレオが存在し、またカナダ・キャピトルからキャピトル・レーベルで発売されています。

 

■THE GINKS「A TRIBUTE TO THE BEATLES」(ATL-4176、UK:COMBINED RECORD SALES、1965)

<ジャケット表>

続いてはギンクスのLPです。キンクスではありませんのでお間違えないように(笑)。これもビートルズのカバー12曲を収録した、タイトルもそのままズバリの「ア・トリビュート・トゥ・ザ・ビートルズ」です。ジャケット表全体にビートルズの写真を使用していて、文字はタイトルのみでアーティスト名も書かれていないため、これも間違ってビートルズのLPと思って買ってしまいそうです。ジャケットの裏を見て、初めてギンクスというグループが演奏していることが分かります。なおギンクスの経歴等については分かりませんでした。

ちなみにジャケット表の写真はバスドラのロゴから初期の演奏写真ということが分かります。1963年2月17日にテディントンにおけるABCのテレビ番組「サンク・ユア・ラッキー・スターズ」収録の際の写真です。

 

■THE MANCHESTERS「A TRIBUTE TO THE BEATLES」(FA-2029、UK:EMBER RECORDS、1966)

<ジャケット表>

先ほどのマージーボーイズはバーミンガム出身のグループでしたが、今度はマンチェスター出身のグループ、その名もズバリ、マンチェスターズです。と書いたところでちょっと調べると、実際はUSのチャートバスターズというグループの変名グループだと言われていますが、チャートバスターズのメンバーは否定しているようです。

ジャケット表にビートルズのメンバー4人の写真がレイアウトされています。デゾ・ホフマンが1963年4月に撮影した写真です。UKのマイナー・レコード会社のエンバー・レコードから発売されています。このレコード会社のフェイマス・アーティスト・シリーズの1枚で、ジャケット裏のこのシリーズのLPジャケットを見ると、サラ・ヴォーンやロイ・オービソンなど有名なアーティストのレコードも発売していたことが分かります。このLPは全曲ビートルズのカバーではなく、全10曲のうち「マイ・ボニー」を含め4曲がカバーで残りはトラディッショナル曲をアレンジした曲が収録されています。

タイトルは上記ギンクスのLPタイトルと全く同じ「トリビュート・トゥ・ザ・ビートルズ」です。ビートルズのLPと間違えて購入させるさらに上手の作戦で、ギンクスのLPと間違えて購入させることまで考えてのネーミングだったのでしょうか(笑)。しかし、ギンクスのLPは1965年、マンチェスターズのLPは1966年の発売ですので、単なる偶然だったのでしょう。まあ、ビートルズのカバー曲集でしたら「ビートルズに捧げる」というタイトルは誰でも考え付くと思います。

60年代後半以降のLPは次回紹介します。