休み中にハケン業界に大激震が走りました。
介護事業子会社のコムスンで、事業所の虚偽申請などの不正が発覚し、厚生労働省から事業所の更新を認められず、介護事業から撤退せざるを得なくなったグッドウィル・グループですが、今後の事業の中心と据えていた派遣業で事業停止命令が下されると報道されたのです。
派遣法で禁止されている港湾荷役業務への派遣などの法令違反が複数確認されており、全国にある約800ヶ所の全事業所が対象となる見通しです。
厚生労働省は、グッドウィルに対して19日に処分を通知しました。処分に対する弁明書の提出期限が1月8日に指定されているとのことで、実際の処分が下されるのは、その後ということになります。
事業停止命令は、今年の8月に同じく禁止業務に派遣したとしてフルキャスに下されています。フルキャストの場合は全事業所が1ヶ月、一部事業所が2ヶ月の事業停止命令でしたが、グッドウィルは一部事業所で4ヶ月、その他の事業所で2ヶ月の派遣事業停止命令が出されるものと予想しています。
いずれにしても、派遣先やスタッフを含め大きく混乱することになります。
フルキャストもそうでしたが、この2社が成長した背景には、スポット派遣(日雇い派遣)を行っていたところにあります。事業停止命令でグッドウィルに発注していた派遣先は、事業停止命令が下された後は、他の派遣業者に発注しなければなりません。
派遣業者の中には、一時的に潤うところが出てくると思いますが、そのようなオーダーを取る場合には、十分な注意が必要です。いつ自分達も違法派遣を行わなければならなくなるかわからないからです。
今回は、労災隠しも明らかになるなど、かなり悪質な行為のようです。フルキャストの平野会長が代表権を返上したように今回の件で、折口会長も代表権を返上するなどの経営責任をとらなければならないようです。
派遣業界は、急激な成長の影に隠れてコンプライアンス意識が大きく欠けています。今回の件も氷山の一角で、現場ではまだまだ多くの法令違反が行われています。
派遣事業を行っている方々は、これをきっかけにぜひ、自社の契約を見直し、改善するところは、派遣先と相談しながら改善していかなければ、今後派遣事業そのものができなくなってしまいます。
他人事ではなく、自社への影響を考えてみてください。