「ホームゲート」を考える。 | Diary of For Tomorrow.

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このブログ記事の内容は株式会社夢ヶ丘研究所から発信される数ある見解の中の1つです。

まず、今日からバックナンバーも含め「ブログのテーマ分け」を始めました。
今日のテーマは「こうつう」で、明日は「その日にちなんだ話題」をお届け
するので「ブログ」となります。(他に「おんがく・けいざい・すぽーつ・
めでぃあ」と、テーマが複数にまたがる「みっくす」があります。)

2回連続で「おんがく」の話をしましたので、「こうつう」のお話を一つ。
なお、今日のブログは「社会科自由研究」で使えるように書いております。
6月26日山手線・恵比寿駅の7・10号車以外に設置された「可動式ホーム柵
(ホームゲート)」、今や「安全運行の要」として実用化されています。
ホームドアとは天井からホームの床部分まで全面ガラス張りのドアのことで
ホームゲートとは腰上の高さ程度の動くホーム柵のことを言います。
全国の地下鉄の「今日現在の設置状況」は以下の通りです。
(各事業者の「安全報告書」等から引用し私がまとめたものです。)
なお、表記の無い路線は「ホームゲートの設置予定」はありません。

札幌市  東西線に設置済み。(南北線に平成25年度中に設置予定。)
仙台市  南北線に設置済み。(建設中の東西線にも設置予定あり。)
めとろ   丸の内線・副都心線と千代田(北綾瀬)線にホーム柵を、
       南北線にはホームドアをそれぞれ設置済み。
       (有楽町線は平成23年度までに設置すべく順次工事中。)
東京都  三田線に設置済み。(大江戸線に平成24年度中に設置予定。)
横浜市  全線に設置済み。
名古屋市 上飯田線に設置済み。(桜通線は来年3月開業予定の新線区間
       に先行設置し、来年度中に桜通線全駅に設置予定。)
京都市  東西線にホームドアを設置済み。(烏丸線にも設置予定あり。)
大阪市  今里筋線に設置済み。(※今年度中に長堀鶴見緑地線の大阪市
       内の駅に設置するため順次工事中。なお、大正駅は設置済み。
       平成25年度中に千日前線に設置予定。)
神戸市   下の項目を参照↓
福岡市  全線に設置済み。

※「(なみはやドーム前)門真南駅」は大阪市内(24区)の駅ではないため、
大阪府と門真市が補助を出さない限り設置不可。(早よ補助を出せ!)
      
他に、埼玉高速鉄道・東急目黒線・つくばエクスプレス・東京モノレールや
新幹線の一部の駅などにもホームゲートが整備されています。
(他にほとんどの「新交通システム」にもワンマンや無人運転のため
安全上、ホームドアが整備されている所もあります。)
海外の地下鉄などでも同様のものを整備している所があります。

しかし、上記の表でこーべ市だけが設置の予定が分からない理由は、
私がこーべ市交通局に質問した所、下記の通り回答して頂きました。
「ホームゲート設置には駅にそれを設けるだけではなく、車両・信号などの
改修・改造工事にもそれなりの費用が掛かると考えています。(当然です)
神戸市では将来的に新線建設や駅の大規模改造工事の予定がないため、
今の基準ではホームゲートの設置義務が無く、財政難・経営難のため、
直ちに設置する事は難しい状態です。また、これから約30年かけて車両や
変電所等を更新するため1千3百億円の設備投資が掛かる以上、安全投資
として何を優先的に行っていくか、大変難しい選択を迫られています。
このような状況でありますが、他の事業者の動向を見極めながら、
国交省に補助の充実も要望しつつ、遅くとも平成30年度までには、
ホームゲートを設置できるよう検討を進めていきます。」と、メールにて回答
をして頂きました。(ありがとうございます。)しかし、神戸市民をはじめ
神戸の地下鉄を普段からご利用の皆さんには、大変心苦しいのですが、
「ミナト神戸の地下鉄にホームゲートの設置」はしばらくの間おあずけです。
もっと神戸市民が声を上げれば、「ホームゲートの早期設置」は可能です。
市民の皆さんは、神戸市会に「早期設置の請願」をしましょう。

だったらなぜ、ホームドアやホームゲートの設置が必要なのでしょうか?
9年前の1月26日に山手線の新大久保駅で乗客転落事故が発生して以降、
それを教訓にして、上の表の通り各都市の地下鉄で整備していくように
なりました。山手線では2駅目の目黒駅が今月の28日に使用開始します。
もちろん、新大久保駅にもこれから10年以内に設置する予定です。

一回、事故等で列車が止まるとそれを回復するために遅延や運休、
他社に輸送をお願いする「振り替え輸送」など、事業者としてコストの面でも
あまり好ましくないものです。また、利用者に多大な迷惑がかかるとともに
精神的な負担も大きいものです。特に路線と並行して走る線がだいぶ
離れている場合「その駅までの代行バス」の手配や案内人員の確保など、
結構手間のかかるものです。そう言う「手間・ひま・コスト」を、
ホームゲートを設置してから「転落事故件数・ゼロ」になった所もあり、
つまり、目の不自由な方が列車が誤ってホームに転落する事故も無くなり
「誰にでも安全な駅」と、「遅れない列車」を実現しています。

これから帰省などされる時に、地下鉄などをご乗車の際「ホームゲート」
を見た時「今日の私のブログ」を思い出して頂ければ幸いです。
また、今日の事で何かありましたら「皆さんのコメント」をお待ちしています。
「皆さんの声」は原則、このブログの下に発表されますので、
忌憚のないご意見をよろしくお願いします。

今日のお題は以上で明日は「花火大会」を取り上げます。