(ネタバレします)
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら、
どうなるのでしょうか。きっと、こうなるのでしょう。
ドラッカー、僕は読んだことがなく、この映画がファーストコンタクトとなりました。
そしてAKB48とも、ファーストコンタクト(* ̄∇ ̄*)
長女(小学5年)は、原作を読んで劇場に臨みました。
「映画と原作、どちらが面白かった?」と訊くと、
「分らない」と。
いいねえ、「分らない」と言える心、結構好き。
次女(小学1年)に、「面白かった?」と訊くと、「途中で飽きちゃった」と。
分る。野球のルールを知らない次女には、少し無理があったかも。
次女は年長さんのときに「借りぐらしのアリエッティ」を観て泣いた。
だから、野球のルールが分ったら、そして友達と友情をどんどん育んでいったら、
きっと泣けるはず。
観劇者の年齢層は、小中学生が多かった気がします。
主人公みなみ(前田敦子さん)の親友、夕紀(川口春奈さん)が亡くなります。
程高野球部を甲子園に出場させるために、みなみが本気で頑張り始めたことで、
夕紀が楽に旅立てなかったことを知り、みなみは傷つきます。
傷ついたみなみは、「野球なんてだいっきらい!」と監督と野球部員の前で言い放って、
逃げ出すように(実際逃げていた)ひたすら走り続けるシーン、
劇場内は、すすり泣きにつつまれていました。
歳かな、残念ながら僕は泣けなかった。
僕がはまるパターンの映画なんですが・・・。
面白いことに、主人公みなみが大活躍する映画ではないのです。
大活躍するのは、
命の尽きかけていた入院中のマネージャー夕紀と、
実力を秘めつつもやる気の無かった野球部員達と、
とある事件がきっかけで、本気になることから逃げていた監督と、
引っ込み思案な、もう一人のマネージャー。
みなみの役回りは、きっかけを作ってあげることだったようです。
それがマネジメントなのかもしれません。
で、そのきっかけのきっかけを作ってあげるのが、ホンジャマカの石塚さん演じる本屋の店主。
この人が、ドラッカーをみなみに紹介しなければ、何も起こらなかったのです。
そして、逃げかけていたみなみを止めるのは、なんと、ドラッカー本人!
ん?ドラッカー本人は、みなみの心の中に居たのだから、
ドラッカーの問いに対して、「もう逃げません」と答えたみなみ自身が、踏みとどまったのか。
ドラッカーによれば、
マネージャーには、初めから身に付けておかなければならないものがある。
それは「真摯さ」。才能ではない、「ひたむきさ」であると。
この物語は、これに尽きると思います。
みなみのひたむきさが、周りの人たちの心を動かし、きっかけが作られた。
そして、見事に、感動的に、程高野球部は甲子園出場を果たすのです。
でも、
皮肉にも、部員達に最高の力を発揮させたのは、本来のマネージャー夕紀の死だった気がします。
その夕紀がマネージャーになったのは、野球少女だったみなみの感動的なサヨナラヒットだった。
観終わってみると、ドラッカーありきのストーリーではなく、
みなみ→夕紀→部員・監督→予選決勝戦に勝利→甲子園出場。
こんな構図が観えた気がしました。ちょっと端折りすぎですけどね。
ところで、もう一つ観えたもの、それは学生時代にビデオで観た「がんばれ!ベアーズ」でした。
結果こそ違うものの、最後にやってくる心の高揚感は一緒です。
ウォルター・マッソー、テイタム・オニール主演。
オニールが野球少女だったところも、ダブりました。
もちろん、もしドラがパクったとかそんな感じはありませんでした。
おじさん的には、
映画を観終わった時に、「がんばれ!ベアーズ」を観た時の感動が甦った。
何だか懐かしい気持ちで、劇場を後にしたのでした。おしまい。