映画館という空間は、僕にとってとても特別。

ポップコーンの匂いが良くて、珈琲が美味しくて、魅力的な映画の宣伝映像が流れていて、

もうすぐ公開の新作映画のポスターを、ぼーっと眺めていると、何だか幸せな気分になる。

また来ようって思わない時はありません。映画が終わった後、去りがたい気持ちに、いつもなります。

この映画、公開されていることをwebで昨日知って、何だか面白そうだし、

キャストが魅力的だし、楽しそうだし、その日のうちに衝動鑑賞しました。

大正解でした。オススメです。超オススメです。

以下、完全にネタバレしますので、劇場で観たい方は、すぐにウィンドウを閉じてください。

キーワードは、

①炊飯ジャー
②アゲハチョウ
③ワンピース
④フランスパン
⑤青と赤
⑥角きり
⑦ビーフシチュー
⑧甘エビ
⑨輪ゴム

といったところでしょうか。

この映画を観て、フランスパンが食べたくならない人はいないと思う。

長い同棲生活を経て結婚した、ノブ(竹野内豊さん)とサキ(水川あさみさん)。

新婚ほやほやですが、倦怠期のようで、痴話げんかばかりしています。

とても面白くなさそうです。結婚したことを後悔しているみたい。

その夫婦が、絆を取り戻していく映画、と言ってしまえば、何だか陳腐に聞こえる。

そういう見方も、もちろんアリです。その線でも、よくできた映画です。

観終わった後に、自然と笑顔になれる。

僕にとって、とても印象深かったのは、生と死について、でしょうか。

ノブとサキは、ひょんなことから地獄ツアーに行くことになります。

地獄の風景がとてもすごくて、CGの部分もあれば、実写と思われる部分もあり、

いったいどこで撮影したんだって驚きました。

地獄の入り口は、五反田の郊外型ショッピングセンター「マルヨシ」の屋上にありました。

二人は、何があっても決して振り返ってはいけないという旅行コンサルタントの言葉を、

きかなかったために、地獄のことを知る羽目になります。

なぜか赤い顔をした謎の男達に追いかけられます。

それが、でんでんさんだとわかるまでに時間がかかった( ̄▽ ̄;)

地獄に来ると、みんな赤か青になるのだそうです。

この辺までは、何だか奇をてらった、笑わせよう驚かせようの、変な映画を選んでしまったかと、

後悔しながら観ていました。

しかし、青い人が現れた辺りから、なにやら雰囲気が変わり始めます。

赤か青、何のことだか、これを読んでくれている人には、もうお分かりだと思います。

僕は、それと分るまでに時間がかかりました。

この映画では、赤い人や青い人が、どこから来て、どこへ行くのか、

ラスト近くで、何となく分るようにできていて、そこが泣けるのです。

鬼たちは、とても悲しい思いをして地獄へ来て、いつかまたこの世に戻る日を、

待ち望んでいるようでした。そこが、とても切ない。

しかも、地獄に来て、青になるか赤になるかで、生活が別々になります。

赤い人は言葉を失ってしまい、地獄では、青い人とは判り合えないのです。

途中から現れた、青い少女(ヨシコ)と、その弟二人が、どういう経緯で地獄へ来たかを考えると、

とても切ない。

ヨシコが、最後にサキに言った言葉に、僕ははっとし、

そういうことかと、とても切ない「地獄模様」に気付きました。

ノブとサキはと言えば、この少女達との触れ合いの中で、お互いの心の中にある暖かい部分に、

気付きます。

ヨシコがノブとサキとを連れて行った「ナイトマーケット」で、

5人は、打ち解けあい、まるで家族のように楽しい時間を過ごします。

そして訪れる別れの時。

サキはヨシコを抱き寄せます。ヨシコはサキにつぶやきます。

「いつかきっと、私を生んでね」(´;ω;`)

ところで、なぜノブとサキは、ヨシコ達と打ち解けることができたのか。

そのきっかけは、「チップ」でした。

後から思えば、「地獄の沙汰も金次第」ということを製作者は含んでいたのかもと・・・

でも、そこはとてもさらっとしていて、あまり気になりません。

メインストーリーには、影響を与えません。

もう一人、切ない思いをしている人物がいました。

ホテル「いいじま屋」の日本人担当の、いいじまさん。

どうやら、死んで地獄に来たわけではないようです。

死んだ妻を追って、地獄にやってきて、青になった人のようです。

奥さんは、赤になってしまい、いいじまさんとは、地獄でも判り合えない。

そして、いつかくる、この世に戻る日を、ずーっと待っている。

でもそれは、どうやら生まれ変わる日のようで、元の記憶を持って生まれることは、

できないみたい。

それでも、ヨシコ達も、いいじまさんも、この世に戻る日を首を長くして待っているようでした。

いつ戻れるかを知っているのは、「濡れた男」。

地獄とこの世をいったりきたりしていて、この世から物を盗んでいるらしい。

あと、この世と地獄を、自由に行ったり来たりできるのは、アゲハチョウだけ。

儚い設定(´;ω;`)

観終わった後に、必ず暖かい気持ちになれます。

感受性の完全ではない僕がそうだったのですから、間違いありません。

ところで、サブタイトル「新婚地獄 篇」ですが、「新婚地獄篇」でもなく、

「新婚 地獄篇」でもない。

なぜでしょうね~分りません・・・


地獄旅行コンサルタント・・・樹木希林さん、片桐はいりさん

最初に出てくる赤い人・・・でんでんさん

ヨシコ・・・橋本 愛さん(はっきり言って、エンドロールまで誰か分りません!)

濡れた男・・・柄本 明さん

いいじまさん・・・荒川良々さん

個性派ぞろいの、豪華キャストです。