感受性喪失状態で観た映画の一つ。
とにかく、長くて、苦痛だった。
約140分。
登場人物も、頭の中で、混乱した。
でも、頭の中に、何かが残った。
それが今、僕の中で、成長しているみたい。
登山の映画ではない。
国防のために、正確な日本地図が要る。
そのためには、山々の頂上に、三角点を設置しなくてはならない。
剱岳は、最後の空白地。
険しくて登頂したものすらいない。
(と思われていた)
陸軍測量隊が、威信をかけて、臨む。
三角点用の石柱は重さ100キロを超える。
測量器具も携えなければならない。
登山道具は、とても旧式で、粗末なもの。
登頂は困難の連続。雪崩にも襲われる。命懸けである。
登頂したものはいないから、山岳のプロを案内人にして、登頂路を探しながら進む。
一方、日本山岳会は、海外から調達した最新の登頂道具を装備して、初登頂を目指していた。
陸軍の威信にかけて、遅れをとることはできなかった。
怪我人が出て、後退したり、進んだは良いが、その先の登頂路が見付からず、後退したり。
何度も、繰り返される、登頂の失敗。
でも、最後には、陸軍測量隊が、先に登頂に成功する。
しかし、成功と評価されることはなかった・・・・・。何故?
「点の記」とは、三角点がいつ、誰の手によって、どこに、どのようなルートで設置されたかなどを記した、
いわば、測量者の苦労がつづられたようなもの。そして、国の公式な記録である。
三角点には、ランクがあるらしく、1等三角点とか3等三角点とか、言われるようである。
ランクが高いほど、重くて、設置するのが困難なのである。
剱岳は、あまりに険しく、4等三角点を設置するのが、精一杯だった。
4等では、「点の記」に記載されない。
つまり、
剱岳登頂の苦労は、「点の記」には記録されておらず、公式に測量したと、
認められることはなかったのである(´;ω;`)
しかも、、、、、
初登頂でさえなかったことが、陸軍測量隊が登頂して初めて、明らかになる。
山頂で見付かる、誰かが昔登頂していたことを示す、品々。
命懸けで成功させた、登頂と、測量だったのに、公式に認められることもなく、
陸軍上層部の、評価は、あまりにも冷淡なものであった。
案内人と測量部隊は、報われなかったのだろうか。
別の山頂から、手旗信号で、エールを送る人たちがいた。
ライバルだった、日本山岳会だった。
表向きは、評価されなくても、
どんなに苦労をしたかについて何も分っていない人から、何と言われようと、
登頂をして、測量をした測量隊の仲間たちは、何もかもを知っている。
そして、国防のための正確な地図は、完成したのだから。たとえ、「詠み人知らず」であっても。
きっと、こういう名も無き「点の記」は、世の中に、たくさんあるんだと思う。
目立つことはない、知らない人のほうが多い、そんな隠れた「点の記」が。
映画館で観てから、1年以上が経ち、ようやく、この映画を感じ取ることができたこと、
僕にとっての、「点の記」です。
誰も、知らないし、評価もされないけれど。