鹿住槇/恋敵に伝えて
純愛:☆☆
H度:☆☆
オススメ:☆☆
登場人物 朝霞真尋 健気な高校生[受け] 箙佳一[攻め] 年上恋敵
彼女を挟んで二股をかけられた男たちが、恋人!?になる話です。
年下の勝気な高校生の真尋くんが、大人の手管にかかるところがかわいくてよかったです。
話はおもしろいのですが、もっとテンポ感がほしいですね・・。
正直もっとドロドロした方が個人的には好きですね
【内容】
彼女に二股のあげくふられた真尋は、恋敵の男・箙が彼女の恋人に相応しいか確かめるため、付き合い始める。でも、エスコート上手で大人な箙に太刀打ちできない?
【本文】
完敗だ、と思った。
この状況一つとってみたって、奈美がどちらを選んだほうがいいかなんて、一目瞭然で。
もう、しがみつけるだけの余地があるとは思えなかった。
素早く引き返してきた彼は、プルトップをちゃんと開けてから、俺の口元に缶を差し出した。
「飲めるかい?」
素直に缶を受け取って、口をつける。
微かに甘くて冷たい飲料は、心地好く喉を潤してくれる。申しわけないけど、三万円近いコース料理より、断然美味しく感じられた。
「落ち着いた?」
しゃがんだまま、こくりと頷いて。
「帰れそうかな?」
もう一度頷く。――と、彼はいきなり俺を抱き上げた。
「…う、わっ、あ、あの…っ」
反射的にもがいた俺に、彼は「暴れちゃ駄目だ」と有無を言わせぬ口調で告げた。
「自慢できるほど力持ちじゃないんでね。この上、落として怪我でもされたら、お詫びのしようがないよ」
いったいコイツなに考えてんだ? と思う間もなく、車に辿り着き、助手席に降ろされる。