http://allabout.co.jp/gm/gc/387596/
自動車評論家国沢光宏さんの解説です。
突如スズキがJC08モード燃費で30.2km/Lというミラ イースを凌ぐモデル「アルト エコ」を発表した。事前情報全くなし。普通なら発表日以降、今月であれば11月26日発売の自動車専門誌の新刊に掲載してもらうため資料を出すものの、今回行わず。本当の超抜き打ちである。よほど存在を隠したかったのだろう。
この手の低燃費車、新型車から出すべきだろうが、タイミング的に適当なモデルがない。そこで現行型アルトのバリエーションモデルというアプローチを取ってきた。とはいえ、そう簡単に30km/L越えの低燃費車など作れない。ダイハツも「スズキが追いつくには1年掛かると思います」と言っていたほど。
内容を見て驚く。例えば燃料タンク。燃費計測テスト時の車重を軽くするため、何と容量をたった20Lとしたのだ(標準のアルトは30L)。おそらく実燃費は20km/L前後。300kmくらい走ったあたりで残量警告灯が点くだろう。そのくらい思い切ったことをしないと燃費は向上しない。
その他、エンジンはMRワゴンから搭載し始めた新世代タイプとし、CVTを内部抵抗から見直している(オイルの粘度まで低くした)。もちろんミラ イースと同じ完全停車する前に稼働するアイドルストップを標準装備。車軸ベアリングの抵抗や、ブレーキパッドとディスクの引きずりまで低減させた。
前述の車重はトータルで20kg減とした結果、ミラ イースの930kgに10kgまで迫っている。空気抵抗を減らすべく車高15mmのダウン。タイヤは既存のスペックじゃ燃費改善が届かなかったのだろう。新設計の低転がりスペックを採用。「考えられることは全てやった」という仕上がりだ。
価格も頑張った。ミラ イースの特徴は、低燃費だけでなく低価格。さすがに79万5000円の格安車こそ設定しなかったけれど(あまり売れていないので不要だと判断したんだろう)、売れ筋グレードは89万5000円/99万5000円と、ミラ イースとガチで揃えてきた。
ちなみにアルト エコは今までのアルトと比べ5万円安い。いや、スズキはアイドルストップを10万円くらい上乗せしていたので、実質的に15万円安くしている。ただでさえ安価な軽自動車の価格を、15万円下げるなんて容易じゃない。スズキに危機感の現れなんだと思う。
装備内容もミラ イースと同じだと考えていい。89万5000円でもABSやCDオーディオなど標準で装備しているので、十分満足出来ることだろう。ミラ イースの一人勝ち状態は3ヶ月で終わってしまった。こんな早いタイミングでキャッチアップしてくるのとはダイハツも予想できなかったに違いない。