自動車評論家国沢光宏さんのコラムです。

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ラクティスがフルモデルチェンジした。地味な存在ながら、販売台数を見るとモデル末期でもスズキ・スイフトや日産キューブなどといい勝負。新型はトップ10圏内に入ってくる可能性大きいという、隠れた人気車と言っても良かろう。改めてどんなクルマなのか紹介しておく。

ラクティスのルーツは「ファンカーゴ」というモデルである。ヴィッツ級のコンパクトなボディに、最大限のキャビンスペースを持たせることを狙いとした。実際、大人4人+海外旅行用トランクを人数分だけ積めるコンパクトカーとなれば、ファンカーゴ/ラクティスのみ。

それでいて燃費やハンドリングはコンパクトカーとほとんど変わず、極めてバランスの良いクルマと言ってよい。開発担当者に聞いてみたら「先代のメリットをキッチリ継承しながら一段と高いレベルにしようと考えました」。なるほど燃費も18.4km/Lから20km/Lに大幅アップ。

早速試乗した。結論から書くと「文句ないです」。これほど不満点の少ないクルマは少ないかもしれない。1.3リッターエンジン搭載車でも絶対的な必要にして十分な動力性能を持つ。また、先代の美点だったハンドリングの良さをキッチリ引き継いだ(スポーツグレードはむしろ向上)。
強いて言えば素直&スムースな変速をしてくれる1.3リッター(新型CVT)と比べ、従来型CVTを使う1.5リッターモデルは多少違和感があるところか(アクセル開度少ないとギア比が変わらず加速緩慢。少し踏み込むとイッキにギア比変わって加速し過ぎる傾向)。まぁ普通の人なら気にならないレベルかと。

むしろ上級モデルであるプリウスのフレームを使ったシートは、プリウスより座り心地良くて快適。乗り心地も上手に「ツキ上げ感」を無くしており、これまたプリウスを大幅に凌ぐ。ウルサイ私でさえこの評価。ラクティスに乗って不満点を挙げられる人はほとんど居ないんじゃなかろうか。

1.5リッターモデルを選ぶとクルーズコントロールが標準装備されるため、ロングドライブ時に使えば誰でも良い燃費になる。海外向けモデルに採用されているアイドリングストップ装置(10・15モード燃費は21.5km/Lくらいになるそうな)さえ付けられれば100点でしょう。
最大のライバルはラクティスに匹敵する室内スペースを持ちながら安価な「ホンダ・フィット」である。1.3リッターモデルで20万円以上安い。1.5リッターモデルも10万円以上お買い得だ。加えて燃費だってフィット優勢。購入の際にはぜひともフィットと迷って頂きたい。

注目したいのが177万7000円で買える車いす仕様の「ウェルキャブ」。今や高齢者問題は待ったなし。ラクティスのウェルキャブなら、介護者が高齢の方でも楽に乗降させられます。車いすを使う頻度の増えたご家族の居る方におすすめてしておく。現時点で最もバランスの良い車いす搭載モデルだと思う。